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03月11日-03号

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  1. 奈良市議会 2011-03-11
    03月11日-03号


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    平成23年  3月 定例会平成23年奈良市議会3月定例会会議録(第3号)-----------------------------------     平成23年3月11日(金曜日)午前10時0分開議----------------------------------- 議事日程  日程第1 報告第1号 平成22年度奈良市宅地造成事業費特別会計決算の認定について       議案第3号 平成22年度奈良市一般会計補正予算(第4号)       議案第4号 平成22年度奈良市下水道事業費特別会計補正予算(第2号)       議案第5号 平成22年度奈良市国民健康保険特別会計補正予算(第4号)       議案第6号 平成22年度奈良市老人保健特別会計補正予算(第2号)       議案第7号 平成22年度奈良市土地区画整理事業特別会計補正予算(第2号)       議案第8号 平成22年度奈良市病院事業会計補正予算(第2号)       議案第9号 奈良市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部改正について       議案第10号 委託契約の締結について       議案第11号 工事請負契約の一部変更について       議案第12号 平成23年度奈良市一般会計予算       議案第13号 平成23年度奈良市下水道事業費特別会計予算       議案第14号 平成23年度奈良市住宅新築資金等貸付金特別会計予算       議案第15号 平成23年度奈良市国民健康保険特別会計予算       議案第16号 平成23年度奈良市土地区画整理事業特別会計予算       議案第17号 平成23年度奈良市市街地再開発事業特別会計予算       議案第18号 平成23年度奈良市公共用地取得事業特別会計予算       議案第19号 平成23年度奈良市駐車場事業特別会計予算       議案第20号 平成23年度奈良市介護保険特別会計予算       議案第21号 平成23年度奈良市母子寡婦福祉資金貸付金特別会計予算       議案第22号 平成23年度奈良市針テラス事業特別会計予算       議案第23号 平成23年度奈良市簡易水道事業特別会計予算       議案第24号 平成23年度奈良市後期高齢者医療特別会計予算       議案第25号 平成23年度奈良市病院事業会計予算       議案第26号 平成23年度奈良市水道事業会計予算       議案第27号 奈良市職員の育児休業等に関する条例の一部改正について       議案第28号 奈良市特別職の職員の給与に関する条例等の一部改正について       議案第29号 議会の議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例等の一部改正について       議案第30号 奈良市職員の特殊勤務手当に関する条例及び奈良市廃棄物の処理及び清掃に関する条例の一部改正について       議案第31号 奈良市人権文化センター条例の一部改正について       議案第32号 奈良市乳幼児医療費の助成に関する条例の一部改正について       議案第33号 奈良市母子家庭医療費の助成に関する条例の一部改正について       議案第34号 奈良市心身障害者医療費の助成に関する条例の一部改正について       議案第35号 奈良市国民健康保険条例の一部改正について       議案第36号 奈良市男女共同参画センター条例の一部改正について       議案第37号 奈良市体育施設条例の一部改正について       議案第38号 奈良市青年の家交楽館条例の廃止について       議案第39号 なら奈良館条例の廃止について       議案第40号 奈良市道路占用料に関する条例等の一部改正について       議案第41号 奈良市立学校設置条例の一部改正について       議案第42号 奈良市青少年児童会館条例の廃止について       議案第43号 町の区域の変更について       議案第44号 町の区域の変更について       議案第45号 包括外部監査契約の締結について       議案第46号 市道路線の廃止について       議案第47号 市道路線の認定について       議案第48号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第49号 公の施設の指定管理者の指定について----------------------------------- 本日の会議に付した事件  第1、日程に同じ----------------------------------- 出席議員(38名)  1番 大坪宏通君      2番 植村佳史君  3番 天野秀治君      4番 東久保耕也君  5番 宮池 明君      6番 横井雄一君  7番 酒井孝江君      8番 階戸幸一君  9番 樽谷佳男君      10番 山本直子君  11番 北村拓哉君      12番 吉川等子君  13番 浅川 仁君      14番 三浦教次君  15番 中西吉日出君     16番 北 良晃君  17番 伊藤 剛君      18番 森岡弘之君  19番 山中益敏君      20番 内藤智司君  22番 松村和夫君      23番 井上昌弘君  24番 松岡克彦君      25番 森田一成君  26番 松田末作君      27番 池田慎久君  28番 土田敏朗君      29番 高杉美根子君  30番 大橋雪子君      31番 高橋克己君  32番 岡田佐代子君     33番 松石聖一君  34番 山口 誠君      35番 山口裕司君  36番 西本守直君      37番 矢追勇夫君  38番 山本 清君      39番 上原 雋君 欠席議員(1名)  21番 藤本孝幸君----------------------------------- 説明のため出席した者  市長      仲川元庸君    副市長     福井重忠君  副市長     津山恭之君    市長公室長   田村隆嗣君  企画部長    巽 一郎君    総務部長    浦出雅史君  市民生活部長  向井政彦君    市民活動部長  片岡隆弘君  保健福祉部長  栗原健二君    保健所長    松本善孝君  環境清美部長  息田恭昌君    観光経済部長  山本二郎君  都市整備部長  湯浅起久君    建設部長    奥田和雄君  業務部長    萩原康治君    技術部長    片岡 茂君  消防局長    野口隆身君    教育委員長   植松滋子君  教育長     中室雄俊君    教育総務部長  荒木惠子君  学校教育部長  森井 弘君    監査委員    吉田 肇君  財政課長    福岡義郎君----------------------------------- 議会事務局職員出席者  議会事務局長  竹本尚史     議会事務局次長議事課長事務取扱                           加井康章  庶務課長    小川祐弘     調査課長    淺原 哲  議事課長補佐  米浪高之     調査課長補佐  池田孝夫  議事係長    梶 正樹-----------------------------------     午前10時0分 開議 ○議長(山本清君) 昨日に続き、会議を開きます。----------------------------------- △日程第1 報告第1号 平成22年度奈良市宅地造成事業費特別会計決算の認定について 外47件(質疑並びに一般質問) ○議長(山本清君) 直ちに日程に入ります。 日程第1、報告第1号 平成22年度奈良市宅地造成事業費特別会計決算の認定について、及び議案第3号 平成22年度奈良市一般会計補正予算より議案第49号までの47議案、以上48件を一括して議題といたします。 昨日に続き、質疑並びに一般質問を行います。 2番植村君。   (2番 植村佳史君 登壇) ◆2番(植村佳史君) おはようございます。政翔会の植村佳史でございます。 郵便番号685-0000、島根県隠岐郡隠岐の島町竹島官有無番地、ここ竹島は明治38年1月28日、日本国政府は島根県と閣議決定いたしました。現在も日本国固有の領土であり、竹島には約50人の日本人が本籍を置いておられます。先日、政府与党民主党の土肥隆一議員は、韓国で日本政府に竹島の領有権主張の中止を求める共同宣言に署名されたと報道されております。国を売る行為だと、報道機関、マスコミでは大変騒がれております。私もこの一件を聞きまして、大変遺憾に感じておる一人でございます。本日質問させていただきます歴史教育または歴史教科書、公民教科書とも関連あるんですが、恐らく私はひょっとしてと思ったんですが、この方は中学生のころ、勉強された中学校の歴史教科書、公民教科書などには、竹島は日本領土であると、はっきりと明確に明記されていなかったのではないかなという不安も感じてしまいました。 それでは、本日、私は120分の時間をいただいておりますので、じっくりとこの件に関しまして質問をさせていただきたいと思います。 それでは、既に通告いたしております数点につきまして、副市長並びに教育委員長及び理事者に質問させていただきます。 先日、ある記事で、今日の日本人は国に対する誇りを失っている人が多い。とりわけ青少年にそういう傾向が顕著であると。日本人としての誇りは国の歴史や伝統、文化について、よい点を学ぶことがなければ育っていかない。日本人の誇りを育てる教育について考える必要があるとのことでありました。客観的なデータを少し述べますと、平成12年でございますが、電通総研が行った世界価値観調査のランキングにおいて、世界74カ国中で行った意識調査によりますと、自国に誇りを持っているかという問いに対して「持っている」と答えた人の割合が、第1位は、今、中東のほうで問題になっておりますけれども、エジプトで99.1%、2位はフィリピンの97.5%、そして米国は15位で94.1、韓国は56位、78.3、中国は56位で78%でした。では、日本はどうなんだと聞きますと、54.2%で、74カ国中71番という低さでありました。また、最近の英国誌エコノミストによる同様の調査によりますと、世界33カ国中で1位はオーストラリアで、日本は33位の最下位であると報道されていました。私は、国民がこのように自国に誇りを持ってない状況では、地域や国、健全な発展のために頑張ろうという若者が出てくるとは思えないのであります。 では、どのようにすると、日本人としての誇りを感じるのかと考えますと、日本に生まれてよかった、日本人でよかった、日本人であることはええことでうれしいことやなと、そういった評価が積み重なってきたときになるのではないかと思います。そして、自国に対する誇りは、先祖や国のよいところ、伝統や文化や国柄を学び、さらにそれが単なる知識にとどまらず、喜びや満足を感じる感情にまでなったときに誇りとなるのではないかと考えるのであります。そのためには、自国の歴史教育は大変重要となるのですが、その歴史教育を行うに当たりまして、自国に誇りを持てるような歴史教科書がやはり重要ではないかと思います。先日、3月8日に、新しい歴史教科書をつくる会奈良県支部より本市教育委員会あてに出された要望書では、本市において子供たちが歴史を学ぶ上で、先人の活躍に心躍らせ、失敗の歴史にも冷静に目を向けられるバランスのとれた教科書の採択などの要望事項が記してありました。 そこで、具体的に教科書採択における流れについてでありますが、県の教育委員会では、市町村で教科書の採択を進めるに当たっては、教科書用図書採択基準とその観点及び選定資料を作成しておられます。この資料では、教科書の調査研究を十分に行うこと、採択の公正確保に万全を期すことなど、基本となる6つの項目と分量を表記、表現など4つの項目の基準が示されています。こうした採択基準や観点に基づき、本市教育委員会においても選定資料が作成されていますが、しかし、昨年行われた本市小学校教科書採択において使用された県の採択基準と観点及び選定資料など、また本市の選定資料などを調査したところ、大きな問題を含んでいることに気がつきました。それは、平成18年に、皆様御存じのように、約60年ぶりに新しく教育基本法が改正されたのですが、その新旧対照表を比較すると、旧法の平和、普遍的個性から新法では正義、公共の精神、人間性、伝統へと文言が変化しており、そして新たに道徳心や伝統と文化、愛国心が加わっています。しかしながら、先般の小学校の教科書採択における一連の選定資料を見る限り、こうした教育基本法の改正のポイントが各社の教科書ごとに比較がされておらず、その内容が大変わかりにくいものとなっております。もし、このままの従来の資料だけで採択に進むと、新教育基本法の改正ポイントを反映した採択が難しいのではないかなと危惧しております。ちなみに本市で現在使用されている中学校歴史教科書、これは3年前に採択されたんですが、おかしいなと思う点を一部紹介しておきたいと思います。 例えば現在の本市歴史教科書では、外国の歴史人物である、皆さんも御存じの蒋介石の読み方について、人名索引ではチャンチェシーとあり、孫文をスンエン、袁世凱をイワンシーカイなどと、中国読みが推奨されております。また、近鉄奈良駅前の噴水の銅像である行基や、全国の小学校でも多く銅像がある二宮尊徳、敗戦後の過酷な占領下で国民をなぐさめ、励まし、8年間も全国を巡幸され、国民とともに歩まれた昭和天皇もありません。そして、文部科学省では、偏った人物ばかりを教えないようにと、学習指導要領や小学校6年生の段階で、42人の代表的な日本人を取り上げることを定めております。しかし、その中には菅原道真、北条時宗、勝 海舟、明治天皇、陸奥宗光、小村寿太郎、東郷平八郎、野口英世、このような人物索引も取り上げておられません。 このように、日本人なら知っておきたい代表的な日本人の多くが中学校で消えております。その反面、一般的では余り考えにくい人物であると思われる阿弖流為や石井十次、シャクシャイン、尚泰、李舜臣、ほかにもそういった方が掲載されております。私は、勝 海舟や明治天皇、野口英世が出てこない日本の歴史教科書というのは明らかにおかしいと考えております。 その他、学習指導要領には、照らしておかしいなと思われる箇所も多々あります。大和朝廷を大和政権といい、鎌倉時代の元寇をモンゴルの襲来(元寇)と表記して、壱岐島でのモンゴル軍による女子供無差別の残虐な行為がどうも薄められているような感じがします。その反面、豊臣秀吉の朝鮮への出兵については、朝鮮侵略と表記し、そして敵の将である李舜臣の朝鮮を救った英雄であると、写真入りで称賛して紹介しています。これらは明らかに、日本の歴史教科書としては余りにも不自然な内容や編集であると考えております。今回、私はこの教科書を読んでいると、どうもなぜか自国の、我が国の歴史が悲しいような感じがしてまいりました。 そこで、そのことに関して、教育委員長に数点質問いたします。 1点目に、来年度の中学校教科書採択に際しては、こうした事項がクリアされた適切な選定資料を県教育委員会に求めていくべきだと考えますが、その点についてお考えをお聞きします。 2点目、本市の資料において、新教育基本法及び学習指導要領の趣旨、42人の代表的な日本人などを記してある日本人の常識にかなった教科書を採択するための選定資料を作成すべきではと、公平な意味でそのように考えますが、その点についてお考えをお聞きします。 次に、要望書にもありました採択のあり方についてお聞きします。 1点目に、前回の中学校歴史教科書採択における議事録を調査したところ、教育委員会における審議が十分になされているのかなという懸念がわいてまいりました。いわゆる絞り込みといった問題について、下部組織である研究部会選定委員会の段階で、二、三点の教科書に絞り込んでしまい、実質的には教科書の選定をその段階で行っていると聞くのですが、このような事実は存在するのでしょうか。また、存在するとすれば、教育委員会から正式な権限の移譲がなされているのでしょうか。もし権限の移譲がなされてないのであれば、それは教育委員の責任の放棄であり、大きな問題であると考えます。その点、どのようにお考えでしょうか。 2点目、教育委員の権限を明確にするためにも、教職員や学校による評価を行わないようにするべきだと考えますが、そのお考えについてお聞きします。 最後に、外国人による内政干渉や一部の団体の圧力を排除し、公正に期すことについてでありますが、調べでは、前回の平成18年の採択のときは、教科書採択に関する本市などへの要望、要請書などが48件もあり、そのうち外国からは71%に当たる34件もあったと聞き及んでおりますが、その点についてのお考えをお聞きします。 次に、農業政策における有害鳥獣対策事業について、津山副市長にお聞きします。 先日の産業文教委員会において、有害鳥獣の中でも特に重要文化財の被害が増加中のアライグマ対策について、本市の状況や対策について聞かせていただいたところ、農作物や文化財、家屋進入による被害は年々増加傾向にあり、日を追うごとに広がり、今まで被害の出なかったところまであらわれるようになり、深刻な問題となってきている状況が明らかになりました。そして、そのアライグマの奈良での被害状況の様子が、2月17日放送の報道情報番組、NEWSゆう+の中で特集され、「奈良で急増!アライグマの被害」との題名で、本市が取り組んでいる捕獲活動について番組で放映され、それを産業文教委員会で農林課長からお聞きしたんですが、私もその番組を見ましたところ、大変驚きました。その内容というのは、重要文化財である、この近くでありますが、海龍王寺や安産祈願で有名な帯解寺も、アライグマの被害に悩まされており、帯解寺ではテレビ局のちょうど取材日にアライグマが捕獲されており、その模様が詳しく放送されていました。帯解寺では、天井裏がアライグマの生活の場となっており、今はもう対策がされたようですが、柱をよじ登り、壁を伝って天井裏へと忍び込んだと考えられ、百害あって一利なしですわと住職は嘆いておられたとのことでした。 さて、見た目は大変かわいいアライグマですが、しかし急激な増殖に伴って、農作物などへの被害が全国的に急増しているとのことで、中でもその数が爆発的にふえているのが奈良県であるとのことです。全国のアライグマの捕獲数はわずか8年で10倍になっており、昨年、全国の農作物の被害額は2億8000万円にもなりました。中でも奈良で捕獲されたアライグマの増加率は、関西の中でトップであります。ことしはさらに2倍近くふえる予想であるということです。奈良県では、ことし2月までのアライグマの捕獲数は852頭以上であり、奈良のシカ、1,096頭いる奈良のシカを追い抜かんばかりの勢いとなっております。近鉄生駒駅からたった3分の薬局でも目撃されていて、最近ではまちじゅうにあらわれるようになっていると聞いております。 そもそもアライグマは北米原産、ふえた原因は捨てられたペットが繁殖したからですが、それにしてもなぜ今、奈良なのか。その問いにアライグマの生態を研究する関西野生生物研究所の川道美枝子さんは、テレビで、隣の和歌山から北上している、そして京都から南下してきていると。奈良に少しずつ広がっていった。奈良市も捕獲していたが、追いついていないと話しておられました。捨てられたアライグマが数年前から爆発的に繁殖していた京都や和歌山からあふれ出して、そして今になって奈良にどんどん押し寄せてきているということなのです。県内で捕獲数がトップとなった本市は、昨年10月から、捕獲用のわなの貸し出しを始め、捕獲数は2月現在で何と214頭です。実に昨年度の4倍にふえており、そのため本市は昨年10月、外来生物法に基づく防除計画を策定し、環境省の確認を受けて、地元猟友会の協力により関係部署と連携した捕獲体制を整備しておられますが、しかし大幅な被害軽減にはつながらず、また増加傾向にあるアライグマのほか、イノシシ、猿、シカなどの被害にも苦慮しており、今後は専門的な知識を有する職員の育成や関係部署の体制強化、職員の増員などを図る必要があるとのことでした。 さて、仲川市長は、来年度、有害鳥獣による農作物を守るという観点から、地元猟友会に対する捕獲駆除事業補助金の増額や捕獲器の購入費の予算措置を講じたと先日説明されましたが、奈良市としてはやはり重要文化財が多々ありますので、その点が非常に気になるのではないかと考えております。 そこで、質問いたします。 1点目としまして、その有害鳥獣対策事業の内訳はどのようになっているのかお聞きします。 2点目、アライグマ被害の体制強化はどのようにするおつもりか、お考えをお聞きします。 次に、病院事業と観光管理について、市民生活部長にお聞きします。 先日、観光協会に行きましたときに、職員さんのほうから要望されたことについてなんですが、その職員さんは観光案内所に常駐いただいている外国人観光客対応ボランティアの方からお聞きしたということなんですが、奈良にお越しの外国人観光客が急病になり、観光案内所を頼りに来られることがたまにあるようです。そういった際に、案内窓口で対応したボランティアの方が、御厚意で通訳としてそのまま病院まで同行してくださるようです。そこで、お医者様との言葉のやりとりはそれでクリアできるのですが、問題は、支払いの段階になりまして、市立奈良病院を初め多くの病院が、世界共通のクレジットカードが使用できないようです。現在、奈良市内では、米ドル以外だと、銀行でも外貨を両替できるところが少ないのが現状で、日本円も準備できずに、やむを得ず同行したボランティアさんが一たん立て替えることもあるようです。そのボランティアさんがおっしゃるのには、奈良市は国際文化観光都市ですから、せめて市立奈良病院だけでも、世界共通のクレジットカードが使えるようにするのがおもてなしの心ではないのでしょうかと言っておられたとのことです。 そこで、市立奈良病院に私も確認しましたが、やはり現在クレジットカードは使えませんでした。自動支払い機など、非常にいい機械が入っているんですが、使えないという現状です。他市で、市立病院でクレジットカードが利用されているところはないのかなと調べてみましたが、結構あるんですね。例えば千葉市の市立青葉病院や海浜病院では、平成20年10月31日より医療費などの支払いについてクレジットカードの取り扱いを開始されておりました。理由は、医療費などの支払いのときに多額の現金を用意する必要がなくなることや、夜間などの急病時の診察に、現金の持ち合わせがなくても安心して受診できるなど、クレジットカード決済を導入することで、患者サービスの一層の向上を図っているのではということでした。ちなみに仲川市長が視察に行かれました横須賀市の市立病院でも、クレジットカードの支払いは行っておられるとのことでした。 そこで、お聞きします。 市立奈良病院での診察費用の世界共通のクレジットカードの支払いはできるようにはできないのでしょうか。 以上、1問目としてお聞きします。 ○議長(山本清君) 津山副市長。   (副市長 津山恭之君 登壇) ◎副市長(津山恭之君) 失礼します。植村議員の御質問にお答えいたします。 まず、有害鳥獣対策事業の内訳についてでございますが、議員お述べのように、イノシシ、猿、シカ、アライグマ、これらの被害は近年非常に多くなっております。これに対しましては、猟友会に出動依頼し、その駆除活動に対しまして補助を行います有害鳥獣駆除事業、そして農家の方々が購入されます被害防止のための電気さく、防除網の費用の一部に対しまして補助を行います有害獣防除施設設置事業、加えまして、農家組合が設置するシカによる農作物への被害防止のための防止さくに対して補助を行います鹿害防止対策事業、これにつきましては引き続き実施してまいりたいと考えております。 加えまして、新年度におきましては、アライグマ捕獲おりを13基、イノシシの捕獲おり4基をふやすことによりまして、より一層の駆除に努めてまいりたいと考えておるところです。 もう1点、アライグマ被害に対します体制づくりについてでございますが、近年、野生化いたしましたアライグマが多く出没し、農作物の被害、それから家屋への進入など、多くの方面に発生しております。これらを防ぐためには、アライグマの生態を知り、効果的な被害対策を講じることが重要であると考えております。そのため、本市におきましては昨年10月に、アライグマ防除実施計画を策定いたしまして、生活環境への出没被害、そして雑食性による生態系への被害、加えまして農業被害等を最小限にとどめることを目標に、根気強く継続して個体数の削減を目指すことといたしております。 また、従来から取り組んでまいりました有害鳥獣の捕獲体制の強化を図りますとともに、情報収集、被害分析をいたしまして、それらの情報を提供することによりまして、地域における鳥獣対策の体制づくり、人づくりを推進し、農業者、猟友会、地元自治会、JAなどの関係者と相互に連携、協力しながら取り組んでまいりたいと考えております。そして、今後も専門的な知識を有します職員の育成、関係部署の連携強化を図りながら、被害防止に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(山本清君) 教育委員長。   (教育委員長 植松滋子君 登壇) ◎教育委員長(植松滋子君) 植村議員の御質問にお答えいたします。 教科書採択における選定の資料についてでございますが、県教育委員会が作成している選定資料は、学習指導要領及び今回の主な改訂事項を重点的に取り上げて作成したものになっていると認識をしております。 議員御指摘の代表的日本人の記載につきましては、県作成の今年度小学校選定資料にその項目があり、調査結果が記載されております。本市におきましては、そうしたものに加えて、本市に関連した人物等についても十分に配慮し、採択を行ってまいりました。また、県教育委員会への要望につきましては、教科書採択の仕組みとして県教育委員会の作成した資料を参考にしながら、各市町村が必要とする項目については独自に資料を作成し、調査する仕組みとなっております。そうしたことから、中学校教科書採択につきましても、県教育委員会の選定資料に加えて、本市においても必要な資料を作成し、より適正な採択になるよう努めてまいります。 次に、教科書採択のあり方についてでございますが、本市におきましては、教科用図書選定委員会規則を定め、教科用図書選定委員会の研究部会を設置して、送付されてきたすべての教科書見本について専門的な調査・研究を行っております。学校による調査報告書は、選定委員会が調査・研究をするための参考資料の1つとしており、議員御指摘の教科書の絞り込みにつきましては、選定委員からのすべての教科書見本についての報告を資料として、教育委員会において調査・研究を行い、みずからの判断と責任において、奈良市の子供たちが使用する教科書として最もふさわしいものを慎重に審議し、採択しております。 また、教科書採択に関しましての御意見を国内外からいただいていることは承知しております。しかしながら、採択の権限は教育委員会にあり、今後も国や県の通知に従い、公正な採択を行うよう努めてまいりたいと思います。 以上でございます。 ○議長(山本清君) 市民生活部長。   (市民生活部長 向井政彦君 登壇) ◎市民生活部長(向井政彦君) ただいまの植村議員の市立奈良病院でのクレジットカードでの支払いについての御質問でございますが、病院でのカード支払いができるようになりますと、議員御指摘のように、外国人や観光客を含む患者の皆様の利便性の向上と、また未収金の防止にも効果があると考えております。しかし、現在、市立奈良病院は利用料金制ではなく、診療報酬を一たん奈良市が公金として収納し、その後病院に交付するという代行制でございます。現在、奈良市全体での公金収納につきましては、クレジットカードでのお支払いはまだ導入されていないという状況でございますので、市立奈良病院におきましても、現状では導入は難しいと考えております。 しかし、平成24年度から、市立奈良病院に利用料金制の導入を目指すということで、指定管理者であります地域医療振興協会とは合意に達しております。そうなりますと、診療報酬は奈良市の公金ではなく、直接地域医療振興協会の収納となりますので、御指摘のクレジットカード支払いの導入についても協会の判断となってまいります。今後、利用料金制導入についての協会との協議を進める中で、手数料やシステム変更等の課題はあるとは思いますが、あわせてこの件につきましても提案し、また調整をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(山本清君) 2番植村君。 ◆2番(植村佳史君) 2問目は、自席より行わせていただきます。 津山副市長に御答弁いただきましたが、ありがとうございました。 さて、アライグマを捕獲器ですね、つかまえる。これは13基追加されるということでお聞きしましたが、その効果というのは本当にどうなんでしょうか。ちなみに近隣の中核市で、広さが250平方キロメートル以上で、22年度の実績では、大津市は15頭捕獲です。おりは50基。担当職員は11人の中で3人がついているんですね。姫路市、あそこは149頭捕獲で、おりは何と90基です。担当職員も同じような人数で3人ついております。本市は、先ほどもありましたけれども、214頭捕獲でおりが20基、農林課12人のうち担当が2人ということですね。 ちなみに、県内の五條市、先ほど言うてましたけど、和歌山からざーっとアライグマの群れが押し寄せてきておるわけですけれども、五條市では昨年103頭捕獲で、これではいかんということで、機構改革により鳥獣対策係を新設しておられます。非常に危機感を感じておられると聞いております。また、神戸市では941頭捕獲し、そしてまた田辺市では、おり今まで150基でやっておられましたが、本年度は100基追加して250基ということであります。テレビで報道されていたとき、奈良県に京都や和歌山からだだーっと押し寄せてきている。ことしだけでも、昨年の4倍にふえておると。市長は、先ほども言いましたが、農作物の対策と言うておられますけども、昨年から奈良テレビやNHKさんとか報道でも多々ありましたけども、世界遺産の東大寺や薬師寺、唐招提寺で柱が爪でばーっとひっかかれてしまうと。ひっかかれて文化財が傷つけられるという被害が出ております。ちなみに我が家でも、2階にアライグマが出てきまして、そして格子戸が、こうぐっと爪でかかれてしまいました。運よくそのときは、農林課の方々、猟友会の方に来ていただいて捕獲していただいたんですけども、そのときはまだ奈良市内では3頭しか捕獲されていない。そのうちの1頭だったんです。重要文化財を多数保有しております奈良市というので、被害額がこのままでは想像を超えるようなものになるのではないかなというふうに感じます。 この程度の今の人員体制で、言い方は悪いですけれども、小手先の対策では不十分ではないかなと私は思います。やはり来年度は、期間限定でもよいですから、この事態が収拾するまでに機構改革で有害鳥獣係を新設して、やはり3人から4人の体制で行わなければ、かなりやばいんと違うかなと感じております。ひょっとしたら、来年、再来年度、24年度は取り返しのつかないようなことになるんと違うかなと思っています。本当にこのような状況で危機管理は大丈夫なのか。人員強化と捕獲器などの増強対策もされるというお考えはないのでしょうか。もちろん猟友会の支援というのも、今高齢化してきておりますので、大変そういった方々の協力がなければできないんですが、その点も含めまして、特に対策を再度お聞きしたいと思います。 それから、教育行政について、教育委員長に非常に丁寧なゆっくりとした御答弁をいただきまして、よくわかりました。こういった感じで学校現場でも説明、歴史教育をしていただくとよくわかるんじゃないかなと、このように思うわけでございますが、ただいま御答弁いただきました中で、教科書採択における選定資料についてですが、教育委員長は県の選定資料に加えて本市においても必要な資料を作成し、より適正な採択となるように努めてまいりますと、このように御答弁いただきました。 しかし、先ほども申し上げましたが、具体的に新教育基本法及び新学習指導要領によって正義、公共の精神、人間性、そして新たに道徳心、伝統と文化、愛国心などの改正されたポイントが、各教科書間の中でわかるような比較対照表なども必要なのですが、それを含む資料などを作成していただけると理解してよろしいのでしょうか。 以上2問を2問目とさせていただきます。 ○議長(山本清君) 津山副市長。 ◎副市長(津山恭之君) 2問目につきましては、自席からお答えさせていただきます。 ただいまのアライグマ等に対しまして人員体制等捕獲の増強施策という御質問でございます。議員のお言葉にありますように、その被害は急激に広がっております。そのため、現在、本市の体制といたしましては、議員おっしゃるように2名の職員が主となってやっております。当面につきましては、職員相互の応援体制を確立しながら、迅速な対応を図ってまいりたいと考えておりますが、今後につきましては、捕獲事業に支障が生じないような体制を講じてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(山本清君) 教育委員長。 ◎教育委員長(植松滋子君) 植村議員の2問目の質問は、自席よりお答えいたします。 市作成の教科書選定資料についてでございますが、県の選定資料に加えて、新学習指導要領の改訂事項を取り上げ、本市独自の調査資料を作成してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(山本清君) 2番植村君。 ◆2番(植村佳史君) 3問目でございますが、これは要望とさせていただきたいと思いますが、ありがとうございました。 教科書選定における絞り込みについてですが、御答弁で今、教育委員会において調査・研究を行い、みずからの判断と責任において最もふさわしいものを慎重に審議し採択しているのでと、このように言っておられました。採択における下部組織による、いわゆる絞り込みを行っている現実はないと。だから、採択の権限も移譲されていないということだろうと私は今認識したのですが、私たちが採択における審議の内容を知ることができるのは、最終の教科書の採択時の教育委員会での審議内容だけであります。それ以外の下部組織の審議過程は、もちろん非公開となっておると思いますのでわからないんですが、昨年の小学校教科書、教育委員会において採択されたときの議事録を見ておりますと、全教科、科目のおよそ5社から7社の教科書の見本の中から、下部組織に当たる学校現場と研究部会のその中の評価の高かった2社のみが会議で報告、議論され、その2社の中からどちらかが採択されています。こういった議事録だけを見ますと、やはり一般的には絞り込みが事前に行われているのかなと、こういうふうに感じてしまいます。その点を今後は改善していただきたいと要望しておきたいと思います。 それから、最後に、本市の子供たちに、やはり自国の歴史に誇りを持てて、好きになるような歴史教科書が勉強できるようにしてほしいと要望しておきたいと思います。もちろん公民教科書においてもそうでございます。これは私もここに、公民教科書を購入させていただいて、いろいろと今回勉強させていただいていたんですが、23ページにも、これはどうかなというようなことが書いてありました。例えば外国人地方参政権についてですが、これは今も憲法違反のおそれがあるんではないかと。政府に対して法案提出の反対署名が全国で568自治体の首長がしておられます。また、4,071の地方議員が問題ありということでやっております。そして、仲川市長も昨年度の私の質問で、外国人地方参政権は政治的な問題であり、国のあり方にもかかわるような大きな問題である旨を言っておられます。それをわざわざ、時期的に外れるかもわかりませんが、表で見ると、主に賛成している表がEU諸国などが取り上げられております。そして、ここの中では話し合おう、この件に関して話し合おうと呼びかけています。これはやはり私は、ぱっと見ましても、中学生にしてはこれは混乱をさすおそれがあるん違うのかなと、こういうふうに危惧しております。そういったことで、やはり自分たちの国の歴史教科書に、しっかりと歴史に誇りを持てるようなことにしていただきたいなと思いますので、よろしくお願いしておきます。 それから、農業政策について、アライグマの対策の件ですけれども、テレビでも言っておられましたけれども、生駒市と三郷町、平群町は、アライグマの生態を調べるために、地域にある187の寺社の調査を、先ほどの研究家の川道さんらに依頼されまして、このまま繁殖すれば、大体春にだっと繁殖するらしいんですけども、1回に大体5匹から9匹ぐらいが生まれるということで聞いております。そういったことからすると、ことし、今のところ217頭でしたけれども、こんなんすぐに1,000匹を超えてしまうというようなことになりかねません。ですから、シカにかわって奈良では名物になってしまいかねませんので、アライグマの長期的な対策の検討が必要だと思います。例として、地域の人がちゃんと見る目を持って、アライグマを調べて歩くとか、そういう仕組みづくりをつくっていかないと、これは根絶はなかなかできない。天敵がいないから、そういうことだと思います。川道さんもそういうふうに言っておられます。もとはといえば、これ身勝手な人間の行為がもたらしたわけですけども、アライグマの被害で、現在効果的な対策が見つからないまま繁殖の春を迎えることになりますので、再来年、後悔せえへんように予防対策措置を、事前に勉強会を開いたり、農林課の人員の体制を強化したり、捕獲おりの強化も、本当にもう少し再度考えていただいてお願いしておきたいなというふうに思います。 それから、病院事業についてですが、外国人観光客に対するおもてなしの心の中で、やはりけがや急病になったときに対策、安心というものは大変重要だと思います。これは観光施策でもあると思います。病院事業において、先日もお聞きしましたが、医療費の未収金がことし23年1月末で3825万円もあると聞いております。その解決策の1つにもなるのではないかなと、このように感じます。早急に世界共通のクレジットカードが使えるようにしていただきたいと、こういうふうに思いますので、強く要望しておきます。 以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(山本清君) 36番西本君。   (36番 西本守直君 登壇)
    ◆36番(西本守直君) 日本共産党の西本です。よろしくお願いします。 きょうの新聞報道によりますと、東京都の教育委員会による日の丸、君が代への起立斉唱の強制に従わなかったことを理由に処分された都立学校の教職員168人が、その取り消しと損害賠償を求めた控訴審判決が10日に東京高裁でありました。この裁判で処分を取り消す判決がなされているということを紹介させていただきます。 それでは、通告によりまして、市長並びに担当部長にお聞きをいたします。 地域経済についてです。 今、地方政治は大変な状況に置かれ、自治体の危機、地域社会の崩壊という深刻な問題を引き起こしております。その根本には、自公政権時代からの構造改革の政治、平成の大合併、国から地方への交付税、補助金などの削減があります。構造改革でも特に力を入れたのが社会保障費の削減で、弱者の負担増を強行してきました。国が市町村国保に支出している国庫負担は、かつての58%から25%まで減っている。このこと1つを見ても明らかですし、お店の倒産や会社からの解雇など、職をなくした人の増大で生活保護費は奈良市でも100億円を超え、土木費と肩を並べるところまでなっています。しかし、政権交代後の民主党政権は、地域主権改革などといって、これまでの構造改革をさらに加速しようとしています。きのうも代表質問で指摘したとおりです。市長はこの予算を未来への種まき予算と位置づけ、開会初日の予算提案説明では、我が国の経済状況は、景気は足踏み状態を脱しつつあるが、雇用情勢は厳しい。国の予算は雇用をふやし、経済成長をかなめに国民生活を第一に進めるものとなっているとして、本市の財政も歳入の増加は多く期待できない。一方、歳出では社会保障関係費の大幅な伸びで大変厳しいという認識を示され、行政が担う役割を見直して、持続可能な財政構造を構築すると、こういうふうに説明されました。歳入では市税、特に個人市民税が減収、地方交付税はふえるが、その他の歳入は増加が期待できない。税外債権の徴収体制を強化する、こういう方針です。こういう中で、地方自治体として今、暮らしと地域経済を立て直すためにどうするか。つまり地域でも市民の懐を暖かくすることで、物の売り買いを活発にさせるということをどうするか、このことが今問われているというふうに思います。観光や商業活動は、これはあくまでも民間が主体だと思いますが、行政としての支援も重要です。そうした点から数点質問したいというふうに思います。 奈良市の観光戦略についてです。 この点については、予算説明でもるる述べられましたし、きのうの議論でも、滞在時間の長い観光とか再訪意欲の高まる観光など強調されています。そうした上で、1点目として、事業仕分けではなら奈良館を廃止し、東京観光オフィスは見直す、奈良ブランド発信事業は民間に、こういう結果が出てますが、観光客のターゲットはどこに絞っているのか。奈良市としての観光戦略についてお聞きしたいというふうに思います。 次に、中心市街地活性化についてです。 奈良市の中心市街地活性化計画は5年間の計画で、今年度は3年目、中間点が過ぎたわけですが、取り組みの検証はされているか、取り組み状況はどうなっているかお聞きします。また、計画策定の当時から見ても、大型店がかなり出店してきていると思いますが、大型店の出店による市内の中小商店への影響について、どの程度把握されているか、また県の方針を見ると、今後も約40ヘクタールが市街化区域に編入され、3店か4店の大型店の出店がさらに計画をされてます。これは中心市街地活性化の取り組みに逆行するのではないかと思うんですが、どう考えるかお聞きしたいと思います。 次に、奈良市の農林業についてです。 奈良市の資料によりますと、奈良の森林面積は1万3000ヘクタール余り、奈良市域に占める面積の48%、奈良市のほぼ半分が森林です。木材の蓄積は200万立方メートル、その中で46%が人の手によって植林された杉やヒノキの植林です。ただ、奈良市の場合は、所有規模が5ヘクタール以下は90%と、林業としてやっていくのは大変な面がありますが、手入れが行き届かずに放置された森林がふえてきているのが現状です。間伐、いわゆる抜き切りなど手入れの必要な森林は5,700ヘクタール、森林面積の45%もあります。放置すると森林が荒廃します。 そこで、お聞きしますが、この林業の支援策についてどう考えているか、お答えください。また、木質バイオマスの利用について、最近、各地の自治体で積極的な取り組みがされています。木質バイオマスは石油などと違って、循環的に利用できて、温暖化を防ぐ地球環境に優しいエネルギー源でもあります。広大な森林地域と森林の蓄積を抱えながら、伐採しても採算がとれない、ほとんどがそのまま山に放置されているのが現状です。奈良県の五條市では、製材所のおがくずを利用する研究を始めていると聞いています。建築廃材の利用を進めているところもあるようです。こうした先進事例に学んで、奈良市も積極的な取り組みを進めることが必要と思います。この点については、予算特別委員会でもう少し細かいことをお聞きしたいと思います。 また、奈良市の農業について、農業委員会が把握しているところでは、農地面積は4万12ヘクタール、奈良市域の15%ぐらいに当たります。現在耕作されずに放置されている農地は、農業委員会の把握で約68ヘクタールだそうです。実際はもっとあるんではないかと思いますが、農林業センサスで見ると、稲作面積は奈良県の15%近くが奈良市です。しかし、兼業農家も多く、農業後継者がいないという深刻な問題も抱えています。日本がTPPに参加して森林が荒廃し、農地が荒廃していく、そうなりますと国土は荒廃していきますし、農家はやっていけないことになります。農業に携わっておられる方は、よく山が荒れると農地が荒れると言われます。森林と農地は一体のものです。農業が抱える課題はたくさんありますが、今回は耕作放棄地の対策としての取り組みについてお聞きします。 次に、滞納債権の特別徴収体制についてです。 来年度の予算として、債権整理方策の検討で600万円の予算がついています。これは106億円の債権を回収するという、そのための方策を1年かけて検討するんだというふうに聞いてますが、債権と言われる106億円の滞納の原因についてどう分析されているのか。また、日本国憲法は第30条で、「国民は、法律の定めるところにより納税の義務を負ふ」とされています。しかし一方では、第11条で基本的人権を保障し、第13条で幸福追求権を、第29条では財産権の保障に基づいて税制は能力に応じて公平に負担すること、生活費非課税を要請しています。また、第25条では、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利をそれぞれ保障しています。そして、こうした憲法原則は、地方税や社会保険料などについても適用されます。憲法が保障するこれらの原則は、あらゆる機会を通じて国民に保障されるべきで、侵すことのできない納税者の権利であると思いますが、この点についての市長の見解を求めたいと思います。 それから、まちづくりについてです。 私は、12月議会でも取り上げましたが、奈良市のまちづくりの方針がいま一つ見えてこないように思います。奈良市は、中心市街地を活性化させる、JR奈良駅の西側もにぎわいをつくるといいながら、保健所・教育センターの複合施設はできましたが、果たしてにぎわうのか、地元の方が心配されるとおりです。JRの東側も三条通り商店街の拡幅で、果たしてにぎわうのか。また、県は、京奈和自動車道大和北道路の地下トンネル部分は断念する方向ですが、奈良市は促進の立場を変えていません。環境や景観、世界遺産を守るといいながら、高架道路や地下トンネルを推進するという矛盾した方針です。きのうの代表質問で取り上げた市役所前の県の開発計画も、ここを交通拠点にしてにぎわいをつくるということになっていますが、果たしてどうなのかと思います。 そこで、2点お聞きします。 1つは、市街地再開発ビルの男女共同参画課の後に何が入るのか。見通しは立っているか。 次に、第二阪奈道路の中町ランプ、奈良西駐車場の跡地利用について、県は道の駅を考えて、奈良市も参加をして協議をしていると聞いていますが、奈良市として県の計画にどう参加していくのか、お答えいただきたいと思います。 それから、市長に最後に、職員の雇用問題についてです。ここ数年の行財政改革によって、非正規職員が大幅にふえています。その上、事業仕分けによって、委託の職員を廃止するという判定も出ています。 そこで、数点お聞きします。 1つは、市役所の職場、幼稚園や学校で働く職員の雇用実態は現在どうなっているか。正規、非正規、委託などについてお答えください。 2つ目は、正規職員や委託先の職員の労働条件などの実態を把握されているか。 3つ目として、非正規職員がふえていることについてどう考えるか。また、同じ仕事をしながら、給料など待遇に差があることについてどう考えるか。 4点目として、保育所の用務員委託は3月末で廃止することになっていますが、新年度はどうするのか。 5点目として、なぜ保育所の用務員だけこういうことになっているのか。幼稚園や学校の用務員については来年度以降同様に廃止していく予定かどうかお聞きしたいと思います。 最後に、環境清美行政について、環境清美部長にお聞きします。 奈良市の一般廃棄物処理基本計画の見直し案が、せんだって清掃業務審議会にかけられました。先月、パブリックコメントを実施されていますが、これに関連して数点お聞きしたいと思います。 この案では、ごみの減量目標の基準とする年度を平成10年度としています。しかし、この10年度という年は、9種類の分別収集を実施した年度で、その翌年に、表で見ましてもがたんとごみの量が減っています。減量目標を設定するというのなら、この翌年の11年度とすべきではないかと素朴に思いますが、この点についてお答えください。 2つ目は、ごみ減量の目標数値は新しい焼却場の設計規模と関連するのか。 3つ目として、ごみ減量の取り組みについていろいろ書かれていますが、果たして実効性があるのか、疑わしい感じもします。具体的にどういう取り組みを考えているのか、お答えください。 最後に、他都市の例を見ますと、例えば和歌山県かつらぎ町では、生ごみの水切り徹底で、ぎゅっと絞って1000万円の節約とか、こういう呼びかけをしていますが、奈良市として市民に呼びかけるスローガン的なものはないのか、お答えをいただきたいと思います。 これで第1問を終わります。 ○議長(山本清君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの西本議員からの御質問にお答えをさせていただきます。 まず初めに、奈良市の観光戦略についてでございますが、昨年、一昨年の事業仕分けにおけるなら奈良館の閉鎖、また東京観光オフィスの見直しや、奈良ブランド発信事業は民間へという結果に基づき、新たな観光振興策などとともに、より効果的な手法を総合的に判断し、それぞれの機能や役割を改めて検討させていただいたところでございます。観光客のターゲットと戦略に関しましては、団塊の世代や女性などを中心とした個人やグループなどを対象に、地域と密着した生活観光や、奈良の豊かな資源を生かした滞在型観光の推進、また中国、韓国を初めとした東アジアからの外国人観光客を対象にした誘致活動の強化が重要であると考えております。 来年度におきましては、平城遷都1300年祭の平城宮跡のにぎわいを維持し、県と共同で実行委員会を立ち上げて、平城宮跡内でのイベント展開事業を行い、誘客に努めるとともに、なら燈花会やなら瑠璃絵などのイベントについても継続的に支援を行い、閑散期の誘客にも努めてまいりたいと考えております。また、世界観光機関の推進するシルクロードプロジェクトや、急増する中国人観光客への誘致など、観光プロモーションにも積極的に展開をしてまいりたいと考えております。 続きまして、中心市街地活性化の基本計画の取り組み状況でございますけれども、訪れたくなるまち、歩きたくなるまち、活力のあるまちという3つの目標が達成できるように、その進捗状況について、数値目標の確認を含めたフォローアップを実施し、毎年内閣府に報告をするとともに、公表をさせていただいているところでございます。なお、本年度は、中心市街地内の平成21年度の小売年間販売額につきましてアンケート調査を行い、現在集計中でございます。 続きまして、中心市街地の活性化に対して大型店の出店が及ぼす影響についての御質問でございますが、これにつきましては、先ほどお答えを申し上げたように、中心市街地内の小売年間販売額調査の中でも明らかになってくるものであると考えております。また、都市計画の変更に伴う大型店の出店についてでございますが、現在奈良県において都市計画の区域区分の変更手続が進められており、それに伴い市の市街化区域への編入案といたしまして、約40.3ヘクタールが編入する予定であり、そのうち大型店舗が計画をされている区域が3カ所ございます。これらの区域につきましては、本市の都市計画マスタープランにおいて示しております住民の生活ニーズに対応した生活利便を図るための拠点づくりという方針に該当するものであり、本店舗は地域住民が利用されるものであることから、市街化区域への編入案となっているところでございます。このことから、この編入に伴う店舗計画は、その位置やまた規模などからして、特に中心市街地の活性化に大きな影響を与えるものではないと判断をしているところでございます。 続きまして、農林業の問題でございますが、まず林業の振興につきましては、造林や保育など、地域の特性に応じた森林整備を推進するとともに、県の森林環境税の活用による緊急間伐事業の実施、都市住民やボランティア組織などと景観保全を目的として里山林の整備などを行っております。 また、国の森林整備地域活動支援交付金による林道の補修など46キロメートル実施、また施業区域の明確化を66ヘクタール行い、同じく国の造林補助事業としての間伐、枝打ちなど、46ヘクタールの森林整備を実施いたしております。今後も森林資源の維持、増進のために、林業関係者とも連携をしながら取り組んでまいりたいと考えております。 続きまして、耕作放棄地対策でございますけれども農業者の減少や耕作放棄地の拡散化などにより、現在のところは解消には至っていないという現状がございます。今まで農地の利用状況の把握はもとより、営農意欲のある担い手への農地の利用集積、集落営農の推進、担い手への支援、市民農園や景観作物などによる多面的な活用などといった幅広い取り組みを行っております。また、農業との触れ合いの場や体験の場など、農地の活用に市民が参画できる仕組みを構築していくことも重要であり、今後は農家やJA、農業委員会などとも連携をして取り組みを進めてまいりたいと考えております。 続きまして、債権整理についての御質問でございます。 まず、106億円の滞納の原因についてでございますけれども、滞納者個々により原因は異なりますけれども、主には納付意識の欠如、また経済的な問題などが上げられます。今後、公平性の確保の観点から、未収債権の縮減に、より一層努力をしてまいりたいと考えております。 次に、憲法で保障された納税者の権利についての認識でございますが、議員御指摘のとおり、税は能力に応じ公平な負担が求められますので、地方税法その他関係法令に基づき、適正な処理に努めているところでございます。また、納められる資力がありながら納税をしない滞納者には厳しく対処をしていく一方で、担税力に欠ける方々に対する減免規定などにも整備を行い、きめ細やかに対応するよう努めているところでもございます。 続きまして、まちづくりについての御質問でございます。 JR奈良駅前再開発第1ビルの男女共同参画センターの後に何が入るのかということでございますけれども、男女共同参画センターの後の入居者につきましては、現在リーシング会社を介し、適切なテナントの誘致を進めており、観光客のみならず近隣の市民の皆様のニーズにも対応できる、にぎわいのある施設を目指して、できる限り早期に入居者を確保できるように最大限努力をしてまいりたいと考えているところでございます。 続きまして、奈良西駐車場の道の駅の、県の計画への市の参画についての御質問でございますけれども、奈良西駐車場の整備は、奈良県が進めている事業でございます。そのため、平成23年度において県が策定をされるということになっております基本計画の中身を、市としても十分に見定めていく必要があると考えているところでございます。 次に、職員の雇用の問題でございます。 正規職員、非正規職員や委託業務の職員雇用の状況についてでございますが、平成23年2月1日現在で、正規職員が3,078名、臨時職員、嘱託職員、パート職員などの非正規職員が1,097名在職をしており、正規職員の割合が73.7%となってございます。また、学校や幼稚園職場の用務員の委託契約は、小・中学校22校、幼稚園18園の計40校・園となっており、委託の割合は36.7%となってございます。 次に、非正規職員や委託先職員の労働条件の実態把握についてでございますが、臨時職員などにつきましては、条例、規則で給与等の条件を規定を行い、運用しているところでございます。また、委託先の職員の労働条件については、契約した企業が決定をしているところでございます。 次に、非正規職員の増加や給与等の処遇についてでございますが、これまでも行財政改革の中で、さまざまな効率化ということに取り組んでまいりました。人員の配置につきましても、今の厳しい財政状況の中で、すべての現場において正規職員だけを雇用するというのは、非常に難しい状況がございます。一時的に増大をする事業や短時間労働で実施可能なものにつきましては、非正規職員の活用も必要な面があると考えているところでございます。非正規職員の待遇改善問題で、いわゆる同一価値労働同一賃金の原則が理想であると考えておりますが、さまざまな問題点を克服しなければ、その実現は難しい問題であると認識をいたしているところでございます。 次に、保育所の用務員業務委託の廃止方針についてでございますが、保育所の用務員業務委託を廃止するのではなく、現在住み込みを前提とした用務員契約を業務ごとに分離をし、朝の業務と夜の業務とに分けて業務を実施していくという形態に変更しようとするものでございます。 次に、保育所の用務員業務委託の廃止理由についてでございますが、平成21年度の事業仕分けにより要改善という判定をいただき、用務員業務の改善を庁内において検討を行ってまいりました。業務内容の見直しを行いましたところ、フルタイムでの勤務の必要性が低いと考え、新たな業務形態として用務員業務の委託を計画したところでございます。なお、学校用務員の委託契約については、保育園の業務と異なる部分も多く、さらなる検討が必要であると考えているところでございます。 次に、廃止に伴う用務員の処遇についてでございますが、市といたしましては、委託会社に対して委託会社と従業員の雇用契約の継続を要望させていただいているところでございます。それに対し、委託会社からは最善の努力をすると承っているところでございます。 以上でございます。 ○議長(山本清君) 環境清美部長。   (環境清美部長 息田恭昌君 登壇) ◎環境清美部長(息田恭昌君) 西本議員の御質問にお答えいたします。 奈良市一般廃棄物処理基本計画見直し案についての御質問でございますが、まず、ごみ減量目標の基準年につきましては、奈良市一般廃棄物処理基本計画見直し検討委員会におきまして御検討いただいており、ピーク時の平成10年度を基準といたしておりますのは、市民の皆様や事業者の御努力により、ピーク時からこれだけ減っているという成果を実感していただき、これからもさらなるごみ減量に取り組んでいただきたいという趣旨と、例えばごみ搬入量を約3分の1減らしますというように、市民の皆様や事業者に理解していただきやすい数値にするということで、ピーク時の平成10年度を基準年といたしております。 次に、目標数値とクリーンセンター建設計画の設計規模との関連についてでございますが、奈良市一般廃棄物処理基本計画は、奈良市における一般廃棄物処理に関する最上位計画と位置づけられておりますので、クリーンセンターの建設計画の規模につきましても、この基本計画における目標数値を踏まえて設定することになると考えております。 次に、具体的な減量の取り組みについてでございますが、ごみの減量を図るには、出されたごみをリサイクルするということも必要ですが、何よりもごみを出さないということが重要だと考えておりますので、まず、もったいない運動の展開などにより、市民1人1日当たり25グラムの発生抑制を目標といたしております。また、古紙類の集団資源回収のさらなる推進や剪定枝のチップ化の拡大や事業系食品廃棄物の堆肥化の推進などにより減量を図っていく計画案となっております。 最後に、市民の皆様に呼びかけるスローガン的なものについてでございますが、現在の計画見直し案では、基本理念を、『「もったいない」の心を大切にみんなで循環型都市ならの実現を目指します』として、御検討いただいており、この基本理念を実現するための基本方向といたしまして、まずはごみを減らす、そしてそれでも出たごみは資源としてリサイクル、そしてリサイクルできないごみは適正処理といった2Rに力点を置いた3Rを、市民、事業者、市の協働で推進し、循環型社会の形成を目指す計画案となっております。 以上でございます。 ○議長(山本清君) 36番西本君。 ◆36番(西本守直君) 2問目は自席から質問します。 まず、観光についてです。 奈良市を訪れる観光客は年間約1400万人、そのうち外国人観光客は約41万人とか聞いております。きのうの議会では、関西広域連合に入ることが観光の面から見てもメリットが多いといった議論がされていたかと思いますが、しかしそれはちょっとどうかなというふうに思います。 先日、NHKだったと思うんですが、7時半からの番組で、九州は新幹線が全線開通して、移動の時間が大幅に短縮されたということで、福岡、熊本、鹿児島が連携して、きょう朝もやってましたが、アジアからの観光客取り込みに食の福岡、歴史の熊本、温泉の鹿児島、こういう打ち出しでオール九州として全力を挙げていると、こういった紹介をされておりました。しかし、別にあそこの県が広域連合をとっているというふうにも聞いておりませんが、それはさておきまして、2問目として、奈良市は外国人観光客は主に中国人に的を絞るという、こういうことですが、奈良は、では何を売り物にするのか、受け入れ態勢はあるのか。それから、マーチャントシードセンターは仕分けで不要となっていますが、この建物を観光案内所的な施設として活用できないのかと思うんですが、この点についてお答えいただきたいというふうに思います。 それから、中心市街地活性化についてですが、県の市役所前の開発についてのきのうの山口議員の代表質問に対して、県から正式な協議の要請があったら、地元の声をしっかり伝えると、こういった答弁だったと思います。市長は、以前の私の質問に対しても、この市役所前の開発は結構なことやと、こういった答弁をされてます。しかし、県知事は、いっぱいいろんな絵をかいて、ホテルを核とするにぎわいと交流の拠点整備という形で、奈良県で1つしかなかった競技用のプールをつぶして、高級ホテルを誘致すると。1泊20万円以上するというスイートルームつきのホテルということやそうですが、そして奈良らしい飲食物販店の集積、集積ですから、ここへ皆集めようというわけです。それから、団体の貸し切りバスのとまる大きな駐車場をつくる、こういう計画を打ち出してます。 また一方、奈良市は奈良市で、これまでJR奈良駅西側に外資系ホテルを誘致すると取り組んできました。第1問で観光戦略の方針も聞きましたが、私が聞いているところでは、奈良の旅館は宿泊費が高い。京都などに客が行くのは安いからだと、こういうこともよく耳にします。外国から来られる観光客の方は、インターネットで調べて、安い宿を探して来られると、こういうことも聞きます。奈良市も観光に力を入れていますが、果たして市役所前に高級ホテルが来るのかと思います。私もこれまで何人もの方に直接話を聞きましたが、あんなんホテルなんか来えへんでというのがほとんどです。 市長に1つお聞きしますが、市役所前の開発で、県の協議に参加していって、奈良市は一体何をするのか、それからもう1つは、JR奈良駅西側のホテルについて、これまで進めてきたわけですが、どう考えているのか。あくまでもこのJRのホテルについても誘致を進めていく方針なのかどうか、お聞きをしたいと思います。 それから、きのうの議論で、関西広域連合についてメリットが多いと。奈良市は中核市として積極的にかかわっていきたいといった趣旨の答弁がありました。私は、奈良の地域経済を考えたときに、広域連合に入るべきではない。広域連合では地方の声が届かなくなっていきます。地域経済を衰退させる、広域連合にいくと地方の声が届かないし、しかも、広域自治体で大阪湾岸に、これ前も言ったと思いますが、公共投資を集中的に進める。奈良市は関西財界が進めるこの計画に入って何のメリットがあるのか。具体的にここのところをお聞きしたいというふうに思います。お答えいただきたいと思います。 それから、滞納債権の整理についてです。 106億円の分析については、納付意識の欠如、経済的問題、こういう答弁です。しかし、この間の格差と貧困の拡大がやっぱり一番大きな原因だと思います。もちろん中には悪質な納税者もいると思いますが、病気になったら必要な保険証ももらえない。それでも保険料を払えない、こういう人がいっぱいおられるわけです。払おうと思っても払えない。また、県一本の回収機構に移っている住宅新築資金の7億円ほどの債権も、住宅家賃も過去のものまで引きずっていて、亡くなった人がおられるのに回収できていない、こういうものもあるとか、いろいろ聞いてますが、そうしたものをみんな1つにして106億円になってるわけです。もうちょっと分析も要るんではないかと思うんです。 そこで、市長にお聞きしますが、2つの例を紹介したいと思うんです。この点について、一言でいいです。市長の率直な感想をお聞きしたいというふうに思うんですが、1つは奈良市が、これは市長の名前で出ている通知ですが、移管最終催告書という文書が出ています。これは私、市民の方からもらったんですが、市からこういう通知が来たと。家の家財を差し押さえられるんではないかといって、控室に飛んでこられたんですが、この通知では、あなたの未納となっている国民健康保険料は、督促や再三の催告によって納付をお願いしてきたが、現在まで払ってもらえていない。下記期日までに払ってほしいと、こういう趣旨の文書があって、その下に、納付金額と納付期日、そしてわざわざ括弧をして、その括弧の中に債権整理課と書いて、平成22年度市役所に新たに設置された組織で市の債権の滞納整理事務を専門に行います。滞納事案を各課から引き受けて、差し押さえなどの滞納処分、行政執行などの法的措置を前提に、迅速かつ公正な滞納整理を行いますと、こういう括弧の中に入った文章がついてます。この差し押さえなどの滞納処分、行政執行等の法的措置というところに下線を引っ張って、よく見えるようにされている。 それからもう1つは、これは奈良市の嘱託職員の方の話です。少し前になるんですが、この方の話を紹介しますと、市の職場で働いていて、ちょっと病気になった。手取り10万円ほどで働いてて、病気がちで税金がたまった。以前は納付相談に応じてもらっていたのに、滞納整理課ができてから状況が変わったと。職員から、今払ってもらわなければ給料を差し押さえると言われた。あんた職場で恥かくことになりますよと。分納の相談もしたが、おたくは給料も上がらないので、ボーナス出たら一括して払ってほしい、こういうふうに言われたと。いろいろやりとりした結果、結局この方は親に払ってもらって、滞納金も含めて支払ったと、こういうふうに話しておられます。この2つについて、ごく簡単な市長の感想で結構ですが、先ほどの1問目の答弁に照らしてどうなのか、お答えいただけたらというふうに思います。 それから、職員の雇用についてです。 答弁にありましたように、職員の26%が非正規となっています。しかも委託先の職員がどういう労働条件で働いているのかわからないという答弁でした。また、保育所の用務員は、現在の会社に委託している、これを3月で廃止して、4月から朝と夕方に分けて別のところに委託する、こういうことです。ところが、今の方は12名が住み込みで働いているために、先日会社から話を聞いて、急な話で驚いた。住むところもない。突然の話で不安になって夜も眠れない。どうしたものかと途方に暮れておられます。先日、市長のところに、何とか話を聞いてほしいといって要望に行かれました。私も同席をさせてもらいました。市長はこうした方々のことをどう考えておられるのか。あしたから福祉にお世話になれということですか。現在住み込みの用務員さんは、朝6時から夕方6時まで働いていて、休憩は適当にとってくれと会社から言われている。条件も給料も正規職員よりはるかに悪い。委託の用務員さんが受け取っている給料は、市の予算の半分程度、11万円か12万円そこそこ。先日の申し入れのときに、市長も驚いておられました。今、契約をやめると言われると、11万円では家を探すこともできないし、そんな給料ももらってない。当たり前です。予算の削減を検討されるんでしたら、このときの市長のところに要請に行ったときの話ですが、給料20万円ほどにして、市の直接採用にしてもらえないか。そうすれば、市も5万円ほど助かるし、用務員さんも助かる、こういう話まで出ていました。 この間はこういう話が出ておりましたが、あともう3週間しかありません、市長。これまで奈良市のために5年、10年、長年働いてこられた方々です。委託といっても3カ月や6カ月の雇用ではないんです。奈良市は方針の変更をして、保育所の用務員の雇用を継続していただきたいというふうに思うんですが、この点についてお答えいただきたいと思います。 最後に、環境清美について、部長に再質問したいと思います。 ごみの再資源化という観点から、生ごみの堆肥化や食用油の回収などについて、全国の自治体がいろいろ挑戦しています。奈良市は人口も多く、市全体で取り組むというのは大変だと思いますが、モデル地区を設定するなど、考えたら、いろんなことができるんではないかと思います。この前も私はたしかこういうことを聞いたんですが、なかなか進んでいないのでまた聞いてるわけです。生ごみの堆肥化や食用油の回収など、ごみの再資源化についてどう考えているのか。 それと、2つ目は、私たち共産党議員団の予算要望に対して、先日文書で回答いただきましたが、来年度、30万円の予算をつけて有料化の検討を進めるとありました。収集課の職場では、業務の改善の課題なども解決できていない現状ですが、この家庭ごみの有料化についてどう考えているのか、お答えいただきたいと思います。 これで2問目を終わります。 ○議長(山本清君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 2問目は自席からお答えをさせていただきます。 まず初めに、観光戦略の御質問でございますけれども、中国人観光客にとって日本観光の魅力の1つは、北海道観光に代表されるような大自然でございます。奈良には、春日山原始林、また月ヶ瀬梅渓を初めとする四季折々の変化を見せる美しく豊かな自然、またおいしい空気や奈良公園のシカなどがございます。さらに、寺院を中心とするいやしの空間などは、中年以降の方々にも受け入れられるのではないかと考えております。また、多くの中国における銀聯カードの普及が著しく、外貨の持ち出し制限を受ける中国人観光客にとって、銀聯カードで安心してショッピングができるというメリットは大変大きいため、来年度におきましては、中国人観光客向けの決済システムである、いわゆる銀聯カードの決済機能を導入するための費用の助成を行ってまいります。 また、旅館組合に対しても、ホテルや旅館等の従業員に対する中国語などの外国語研修を実施していただいておりますが、その費用を引き続き補助を行い、外国人観光客の受け入れ態勢の整備に努めるとともに、来年度実施予定の外国人を対象とする観光動向調査の結果を、受け入れ態勢の今後の整備にも生かしてまいりたいと考えております。 続きまして、マーチャントシードセンターの件でございますけれども、今後の活用につきましては、新たな商業支援、商業振興の拠点とするべく、昨年より奈良市中心市街地活性化協議会を中心にいたしまして、地元の商店街や商工会議所など、関係団体と協議、検討を行っているところでございます。 続きまして、県による市役所前の開発案件でございますが、この開発につきましては、先日もお答えを申し上げたとおり、詳細については奈良市も検討、協議等は行っておりませんが、県において今後方向性等がまた議論されると伺っております。そして、あくまでも民間の投資が前提となるプロジェクトであると認識をしておりますので、今後の推移についてはしっかりと見定めていく必要があると考えております。また、御指摘のように、いわゆる中心市街地の活性化に影響を与えるものとならぬように、県ともしっかりと協議等をしていく必要があると思っておりますし、奈良市が現在取り組んでおりますJR奈良駅西側のにぎわいづくりの取り組みに対しても、双方が重複をして競争力を互いにそぐという形にならないように、連携や調整を図っていく必要があると考えております。 続きまして、関西広域連合についてのことでございますが、先ほど地方の声が届かなくなるのではないかという御懸念を御指摘いただきました。確かに現在の関西広域連合における議論や取り組みの中身というものは、まだまだ成熟をしたものではないという御指摘も一理あると考えております。しかし、私どもといたしましては、住民生活に最も近い基礎自治体がより多くの権限、そしてまた財源を国からとってくると、こういった形で地域主権をより中身のあるものに進めていくために、この広域連合の議論というのは非常に大きな可能性を含んだものであると考えております。 そういった中におきまして、先ほど九州の観光のお話をいただきましたが、九州においても現在九州府の設置に向けて検討を行っているというふうにも伺っておりますので、全国でこういった地域主権をより現実性のあるものにしていこうという動きが進んでいると認識をしております。今後、あくまでも県としての議論にどのように参画をされていくのかということに対して、地域の中核である中核市としての奈良市もしっかりとキャッチアップをしていきたいと、そのように考えております。 次に、滞納債権の整理に関して、いわゆる生活困窮者の方々や担税力の弱い方々に対する配慮ということでございます。これにつきましては、御指摘のように、私どもでは債権整理課を新たに設け、しっかりと徴収体制を構築していくという方向性を今取り組んでいるところでございますが、御指摘のように、払いたくても払えないという方に対しては、分納等の納付相談にもきめ細やかに対応していく必要があると認識をいたしております。この点につきましても、今後徹底をしてまいりたいと考えているところでございます。 次に、住み込みで働いていただいております用務員の住居の問題でございますが、この件につきましては、先日も私も直接お話を伺わせていただきましたが、今回の件につきましては、市役所と用務員の方との直接の雇用契約ではなく、あくまでも委託先の会社とその従業員の方との間での雇用契約がございます。市といたしましても、委託会社に対し、できる限り雇用の継続ができるように働きかけを行っておりますし、また4月以降の住居の件に関しても、市でもできる限りの協力をさせていただきたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(山本清君) 環境清美部長。   (西本守直議員「ホテルの御答弁がなかったんですが」、松岡克彦議員「JR西のホテル誘致計画答弁漏れ」と呼ぶ) ○議長(山本清君) 市長、答弁漏れがございます。 市長。 ◎市長(仲川元庸君) JR奈良駅の開発の件でございますが、先ほども少し触れさせていただきましたが、いわゆるJR奈良駅西側のにぎわいをどのように醸成をしていくのかという観点におきまして、新たに設置をいたしました保健所・教育総合センター、そしてまたなら100年会館やシルキアなど、これらの機能(西本守直議員「もうちょっと短くしてください」と呼ぶ)連携をしながら充実を図っていくということと同時に、このホテル用地の今後につきましても、どのような活用策が市としてより効果的であるのかということについて、あらゆる可能性を探ってまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(山本清君) 環境清美部長。 ◎環境清美部長(息田恭昌君) 2問目は自席からお答えいたします。 まず、生ごみの堆肥化や食用油の回収などのごみの再資源化についてでございますが、議員御指摘のとおり、廃棄物系バイオマスの利活用や生ごみの資源化として幾つかの自治体において取り組まれ、またモデル事業として検証を実施されているところでございます。しかし、堆肥化を含め、生ごみの資源化等、バイオマスの利活用につきましては、その経済性や資源の有効利用、また再生製品の需要など多角的な観点から評価、検討が必要であり、また具体的な課題といたしまして、市民の皆様にお願いいたしております分別に対する御負担や収集体制の確保等の問題なども考えるところでございます。12月議会でも御答弁申し上げましたとおり、今後、一般家庭から排出されます生ごみの処理方式の1つとして、引き続き調査研究してまいりたいと考えております。 次に、家庭ごみの有料化の実施についてでございますが、家庭ごみ有料化につきましては、平成21年3月に、奈良市清掃業務審議会より答申をいただいております。その中で、実施時期については、経済不況等により市民の家計負担感が増している現状も考慮し、慎重に見きわめる必要があるとの御意見をいただいており、そうした意見を踏まえ、今後、経済状況等を考慮しながら実施時期を検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(山本清君) 36番西本君。 ◆36番(西本守直君) 最後は主張と、1点だけ市長にもう一度質問したいと思います。 滞納整理についてはきちっとした答弁を避けられたように思います。私は、市長の出している市長名で出ている通知文や市の対応について、納税者の、市民の権利保障という点に照らしてどう思われるか。ちょっと簡単な感想でいいというふうに言ったんですが、ちょっとそこのところ、私の質問の仕方が悪かったのかもしれませんが、避けられたのではないかなというふうに思います。 それから、地域経済については、奈良にしかないよさをどう生かすか。そこにどう力を入れるか。そこのところがやっぱり必要だというふうに思いますので、またそういったことは委員会でさせていただきます。 最後に、職員の雇用問題です。市長の答弁は認められません。労働基準法はあってなきがごとし、一時的に増大する事業や短時間労働で行う事業などには非正規職員の活用も必要だと、こういうふうに答弁されましたが、用務員さんの仕事は、先ほども言いました何十年と続いている。しかも正規職員と非正規、いわゆる委託職員がいる。同じどころか、正規職員以上の仕事をしている、現場によっては。賃金に差がある。私は何年も前からこの問題を取り上げています。 それはさておいて、最後にもう一度お聞きしたいんですが、今、深刻な問題を抱えている、しかも不安で夜も眠れない、こういうふうに言っているこの人たちをどうするのか。委託先の会社に何とかしてもらうという話だったと思いますが、長年子供たちのことを考えて働いてこられたこの人たちを契約が切れたという形で切り捨てるのか。この人たちの雇用を続けるのは簡単なことです。市長が方針を変えたらいい。条例の変更も要りません。予算を修正する、今修正する必要もない。足りなくなったら、途中で補正組めばいいというふうに私は思うんですが、もう一度聞きますが、何とかこの委託先を継続するということにしていただけないか。このことを約束していただきたいと思うんですが、最後にこのことだけ答弁してください。 ○議長(山本清君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 御質問の住み込みで働いていただいております用務員の方の雇用の問題でございますが、先日もお話を伺う中で、実際に委託先の企業からも新たな職場等についても提案や今調整などをされているというふうにも伺っております。確かに働く場所が変わる、労働環境が変わるということは、労働者にとっては大きな影響があるものでございますけれども、今回の契約の形態というところで申し上げれば、一義的には奈良市が委託をしている企業と雇用者の間における雇用契約ということになりますので、私どもといたしましては、その契約の中身や労働の条件が、労働者の方の思いに、より添えるような形で取り組んでいただくように考えてまいりたいと思っております。奈良市としては、委託先の企業に対しても、再三話し合いや指導等を行っておりますが、今後も労働者の方が不安を抱えないように、引き続き指導等を行ってまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(山本清君) 議事の都合により、暫時休憩といたします。     午前11時40分 休憩     午後1時0分 再開 ○副議長(中西吉日出君) 議長所用のため、私、かわって議長の職務を行います。よろしくお願いいたします。 休憩前に続き、会議を開きます。----------------------------------- ○副議長(中西吉日出君) 質疑並びに一般質問を続行いたします。 18番森岡君。   (18番 森岡弘之君 登壇) ◆18番(森岡弘之君) 私は、通告しております数点につきまして、関係理事者にお尋ねします。 まず最初に、本市の交通政策の中で自転車利用促進施策について、企画部長にお尋ねします。 私は、奈良市内の中でも、いわゆる中心市街地における交通対策の一環として、自転車利用を促進することは、渋滞緩和対策に効果的であると考えております。これからの社会生活では、環境対策の推進や経済状況等の影響も関連して、ふだんの生活に深くかかわる乗り物としての自転車の活用がますますふえていくことが予測されるのではないでしょうか。 そして、その傾向は、例えば観光地へ家族でレジャーに出かけるときにも、その地における観光サービスのレベル次第では自転車を利用して観光を楽しむというレジャースタイルの増加につながり、自転車が公共交通の利用とともに移動手段の中心になると考えます。ただし、民間の観光サービスレベルには限界があります。ライフスタイルの変化に任せるだけではなく、その傾向に即応して、後押しする形で行政が取り組んでいかなければならないと考えます。本市においても、市役所内で観光シーズンにパーク・アンド・サイクルライドを実施しておりますが、その効果の継続が今後も大いに期待されるところであります。 そこで、パーク・アンド・サイクルライドの現在の実施状況と今後の取り組みについてお尋ねします。また、パーク・アンド・サイクルライドの利用を促進するためにも、本市において観光客や市民がもっと楽しめる自転車周遊ルートがあれば、その周辺ににぎわいができ、本市の観光経済のさらなる活性化にもつながるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。本市の今後の自転車利用促進のための考えをあわせてお尋ねします。 次に、児童虐待防止対策について、保健福祉部長にお尋ねします。 私は、昨年9月の定例会において、過去最多の記録を更新し続ける児童虐待問題について質問をいたしました。その質問の中でも触れましたが、昨年、若い母親が幼い兄弟を置き去りにして衰弱死させた事件は、社会に大きな衝撃を与えました。しかし、その後も全国的に児童虐待事件が後を絶たない状況にあります。先月24日に発表された警察庁のまとめによりますと、昨年1年間に全国の警察が摘発した18歳未満に対する児童虐待事件は、前年より19件多い354件、被害に遭った児童は15人多い362人で、いずれも統計をとり始めた1999年以降、最多とのことでした。こうした児童虐待は、2001年の168件からほぼ倍増しております。近隣住民などからの通報がふえ、虐待が発覚しやすい環境になったことに加え、実際の虐待件数も増加していると見られております。本市においても年々ふえ続ける通報件数が、全国の状況と同じであることを物語っております。 そこで、23年度の新組織であります子ども未来部の設置に伴う児童虐待対応に関しての組織体制の強化の取り組みについてお尋ねします。 次に、自殺対策について、保健所長にお尋ねします。 我が国は、年間の自殺者数が13年連続で3万人を超えるという憂慮すべき状況にあると言えます。それゆえ、何としても自殺者数が高どまりを続けている現実を直視し、希望を持って生きていける社会への転換を急がなければなりません。特に年度末、学年末のこの3月は、年間を通じて最も多く自殺者が発生する時期でもあります。今月が自殺対策強化月間と定められているのもこのためであります。本市においての自殺死亡率のここ数年の推移は、全国平均や奈良県全体の数値に比べ下回ってはおりますが、決して低下傾向にあるとは言えません。本年1月25日に本庁内で、奈良市自殺対策研修会が開催され、私も参加いたしました。その開催の目的は、地方公共団体として取り組む課題であることを理解し、自殺対策を総合的に推進して防止を図ることとあります。その研修会の中でも説明がありましたが、全国で昨年1年間で自殺した人の動機に関する警察庁の調査によりますと、うつ病などの健康問題が最も多く、経済や生活問題のうち就職失敗が増加し、仕事や家庭問題もふえているということであります。自殺は、こうした幾つかの要因が連鎖し、絡み合って引き起こされるとされています。本市においても、総合的に、また多角的に対策を講じていかなければならないと考えます。既に本市では、奈良市自殺対策計画が策定されておりますが、その計画の内容が、現在どのような形で実施されているのでしょうか。 そこで、本市における自殺対策の現状と今後の取り組みについてお尋ねします。 次に、JR奈良駅南特定土地区画整理事業について、都市整備部長にお尋ねします。 昨年、大森高畑線の一部供用開始が始まり、大森町の交差点から西方向への車両通行量もふえ、私もよく通りますが、特に走行中の南側に広がる大森町、大森西町、大安寺七丁目、三条本町及び西木辻町の各一部を範囲とするこの区画整理事業範囲である、広大な地域のロケーションが、将来どのように推移し、新しい町並みができ上がるか、大変気になるところであります。また、多くの市民からもいつごろ事業が完了するのかとのお問い合わせがあります。また、JR奈良駅周辺のまちづくりの総合的事業の中で、南地区の良好な居住環境を早期に創造するために、この事業の完了が大いに期待されていると考えます。 そこで、この事業の現在の進捗状況と完成に向けての今後の予定についてお尋ねします。 次に、本市の防火防災対策について、消防局長にお尋ねします。 本市では、各自治連合会、また自治会を活動組織の単位として、防火防災活動が活発に行われていると認識しております。本年3月5日には、私が住む明治地区において、自主防災防犯会主催の防災訓練が行われました。地区連合会に所属する15の自治会では、それぞれの集合場所から避難場所である明治小学校までの集団での移動に始まり、多くの地域住民が参加する中、女性防災クラブの皆さんによる炊き出し訓練や児童が参加しての実際の消火器の使用方法の講習や、AEDを使用しての救急救命訓練などが行われ、他の自治連合会からの見学もあり、有意義な時間を過ごしました。このような訓練の継続は、予期せぬ災害発生時における二次被害やそれによる住民のストレスを最小限に食いとめるために、公助の手が行き届く前の共助体制を強化しておくために必要と考えます。 一方、通常の火災に対しては、その発生と発生直後の被害拡大を最小限にとどめる取り組みが効果を発揮することになると考えます。私は、過去の定例会や委員会におきまして、本市の防火対策の1つであります住宅用火災警報器の普及活動とその一環としての防火訪問活動について、本市の取り組みの進捗状況を何度か質問してきました。 そこで、再び、現在の奈良市における住宅用火災警報器の普及率と今後の設置促進、普及率向上に向けての取り組みについてお尋ねします。 以上で、私の第1問を終わります。 ○副議長(中西吉日出君) 企画部長。   (企画部長 巽 一郎君 登壇) ◎企画部長(巽一郎君) 森岡議員の御質問にお答えをいたします。 初めに、パーク・アンド・サイクルライドの実施状況と今後の予定についてでございますが、パーク・アンド・サイクルライドは平成11年度から、市役所の駐車場を無料開放し、実施しておりますパーク・アンド・バスライドに併設して、観光シーズンの4月、5月と10月、11月に実施をしております。平成21年度までは日曜日と祝祭日に行っておりましたが、本年度からは土曜日にも拡充し、実施をしております。利用状況といたしましては、平成21年度が春、秋の合計で1,421台、平成22年度は2,006台の利用がございました。また、利用者の皆様にはアンケート調査を実施しており、その結果、また利用したい、取り組みは非常によい等の御意見をいただいた一方で、自転車道の必要性や町なかの駐輪スペースが少ないという課題も見えてきております。今後につきましては、引き続き観光シーズンにパーク・アンド・バスライドとサイクルライドを実施することで、市内中心市街地における交通渋滞の緩和を図ってまいりたいと考えております。 次に、観光客の皆様に安全で快適に利用していただける自転車周遊ルートの設定についてでございますが、平成22年度から奈良県において、橿原方面から奈良市に向け、広域的な自転車利用ネットワークとして幹線ルートを設定し、案内誘導や注意喚起サインの標示をつくる計画が策定されました。今後は、本市におきましても観光振興や地域活性化のために、この幹線ルートから市内の観光名所をつなぐ地域内ルートの設定を検討することで、自転車を利用した広域的な周遊観光の促進を図る必要があるものと考えております。 以上でございます。 ○副議長(中西吉日出君) 保健福祉部長。   (保健福祉部長 栗原健二君 登壇) ◎保健福祉部長(栗原健二君) 森岡議員の御質問にお答えをさせていただきます。 子ども未来部の新設に伴いまして、児童虐待対応に対する組織体制の強化についての御質問でございます。児童虐待の対策につきましては、平成20年12月15日に奈良市被虐待児童対策地域協議会を設置して以来、子育て関連部局、部署間で情報の共有と連携及び児童虐待の早期発見と適切な保護を図っており、子育て課が調整機関となっております。子育て課では、虐待通知後の処理など、児童虐待対策に携わっておりますが、年々虐待件数の増加に対処するために、人員等組織体制の強化が必要となってきております。来年度に新設されます子ども未来部におきましては、児童虐待問題を中心とした業務を行える専属の係の設置を検討しており、その対策の強化を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(中西吉日出君) 保健所長。   (保健所長 松本善孝君 登壇) ◎保健所長(松本善孝君) 本市の自殺対策の現状と今後の取り組みについてでございますが、本市におきましては、自殺対策基本法が施行されました平成18年度から自殺対策に取り組み、相談窓口の充実、職員の意識・知識の向上、自殺に対する偏見をなくす等を基本目標にし、その目標達成のため庁内推進体制整備、啓発、研修、その他の窓口の充実の4本柱の活動計画を立てて実施しているところでございます。庁内推進体制整備としましては、今年度、自殺対策を全庁的に総合的かつ効果的に推進するため、奈良市自殺対策推進会議を設置いたしました。研修につきましては、職員、民生児童委員、関係機関の相談担当者等を対象にした研修会や市民講演会を開催しております。来年度は、早期対応の中心的な役割を果たす人材としてのゲートキーパー養成研修を行ってまいります。啓発につきましては、市民の方の悩み事等の相談に対応するため、各種相談窓口を紹介したリーフレットを作成し、3月の自殺対策強化月間に合わせて市内全戸配布を行いました。さらに、相談窓口を紹介した名刺サイズの自殺予防カードを作成し、庁内や関係施設等に設置して啓発を図ってまいります。相談窓口の充実につきましては、従来の精神保健福祉相談に加え、実際に心に悩みを抱えている人の相談に応じるため、臨床心理士による心の健康相談を月1回、本年1月より開始いたしましたが、来年度は月3回の電話相談も加え、充実を図ってまいります。また、4月オープンの新保健所におきましては、奈良いのちの電話協会と協働し、電話相談や自死遺族の心のケアを行い、「生きる支援」を総合的に推進してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(中西吉日出君) 都市整備部長。   (都市整備部長 湯浅起久君 登壇) ◎都市整備部長(湯浅起久君) 森岡議員の御質問にお答えいたします。 JR奈良駅南特定土地区画整理事業の進捗状況と予定についてでございますが、まず進捗率につきましては、本年3月末において事業費ベースで約21%になる見込みでございます。なお、その整備状況につきましては、JR関西線と桜井線に囲まれましたその区域のうち、都市計画道路大森西木辻線を含めた東側街区の宅地造成や区画道路の整備工事を行い、面積的には約6ヘクタールの整備を完了しております。また、本年1月には、事業計画の変更について県知事の承認を得て、事業計画を5年間延伸し、平成27年度までとするとともに、地価の変動に伴います資金計画の一部変更を行ったところでございます。今後、整備済み区域については、できる限り早い時期に使用収益の開始が図られるよう努めるとともに、未整備区域につきましては、権利者と事前に十分な調整を図り、円滑に事業が進められるよう取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(中西吉日出君) 消防局長。   (消防局長 野口隆身君 登壇) ◎消防局長(野口隆身君) 森岡議員の御質問にお答えいたします。 まず、住宅用火災警報器の普及率でございますが、消防局では、奈良市における住宅用火災警報器の普及率調査は行っておりませんが、一昨年、奈良市において実施されました市民意識調査における普及率につきましては、参考数字ではございますが、59.8%となっております。また、平成22年12月時点での総務省の推計では68.3%の普及率となっています。 次に、今後の普及率向上に向けての方策についてでございますが、市民だよりやマスメディアによる広報、さらに消防団、女性防災クラブ等の協力を得ながら街頭での広報活動等、あらゆる機会をとらまえて積極的な設置普及啓発活動を継続してまいりたいと考えております。また、本年度に実施しております一般家庭防火訪問につきましても、2月末日におきまして、約9,000世帯の実施を終えており、今年度中に予定の約1万1000世帯を完了できる見込みでございます。今後もこれらの設置推進を強力に進め、より一層普及率の向上を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(中西吉日出君) 18番森岡君。 ◆18番(森岡弘之君) 2問目は、自席より行います。 2問目は、主張、要望とさせていただきます。 まず、交通政策についてですが、本市が実施しているパーク・アンド・サイクルライドにより、観光客に自転車移動を促すことによる市内中心市街地の交通渋滞緩和策と、さらに進んで奈良県が計画している自転車周遊ルートの設定と連携した形で、本市が市内の自転車周遊ルートを設定することによる交通渋滞緩和策に期待するものであります。ただし、その施策は、同時に自転車利用者や歩行者の安全を図るための道路改良事業を伴うものでなければならないと考えます。この事業は、本市においては、交通政策部門と都市整備部門が連携する中で推進していかなければならないと考えますが、特に観光エリアと隣接、あるいは重なった商業地域や幹線ルートを自転車で通行する場合の歩行者及び自転車利用者の安全で快適な通行空間を確保するために、例えば幅の広い自歩道等の整備がどうしても必要になってくると考えます。 本市が平成18年度から設定している第8次奈良市交通安全計画の中には、交通安全施設整理事業の推進という項目があります。今後とも歩行者や自転車利用者の安全と利便性確保に向けて、県と連携しながら交通インフラ整備を着実に実施していただくよう要望しておきます。 次に、児童虐待防止対策につきましては、御答弁にありました子ども未来部の中に新設される予定の専属の係の発足と、その確実な業務の遂行に大いに期待するところであります。先日の報道では、政府は父母による児童虐待を防止するため、家庭裁判所が2年を超えない範囲で、親権を停止できる制度の新設を柱とする親権制度見直し案の今国会での成立を目指す方針であるということです。この新制度が運用されるような重篤なケースになる前に、行政としてあらゆる手段を講じて児童虐待を未然に防ぐか早期発見により、進行をとめることが重要であることは言うまでもありません。そのために、本市が新設するこの専属の係の陣容のさらなる拡充を図ることを要望しておきます。 次に、自殺防止対策についてですが、奈良市は奈良県の自殺死亡率と比べて低位で推移しております。しかし、本市だけの傾向をとらえてみると、決して低下傾向に推移しているわけではありません。奈良県全体や全国の数値と比較しても、本市の低下傾向は顕著であると判断できる状況になるまで、さらに対策を強化していくべきであると考えます。それには、民間の協力を得ることも視野に入れるべきではないでしょうか。先ほどの御答弁にもありましたが、啓発対策の1つとして、相談窓口を紹介した名刺サイズの自殺予防カードを作成し、庁内の関係施設等に設置して啓発を図っていくとのことですが、例えばもう一歩進めていただき、日常的に多くの市民が集まるスーパーや駅構内等にもカードの設置箇所をふやしていくことを検討していただくよう要望いたします。 また、3月は人事異動の時期でもあります。環境の変化に適応できずに自殺に至るケースもあると考えます。そこで、職場での相談体制の導入など、従業員のメンタルヘルス対策が重要となります。本市内の事業所に対しても、行政が支援する形できめ細やかな対応を求めるべきであると考えます。ぜひとも検討していただくよう要望しておきます。 また、御答弁の中でありました相談窓口の充実ですが、やはり相談を受ける側の人的な確保が必要です。悩み抜いた末に意を決して相談に来られる場合や電話をかけてこられる場合に、相談を受ける側の対応に迅速性を欠くことがあれば、相談者の失望感が増幅されることは容易に想像できます。そのようなことが起こらないようにするためにも、相談者が早く相談窓口にたどり着くための対策も必要です。そのために、22年度の事業仕分けで不要との判断になった福祉なんでも相談窓口の継続もあわせて要望しておきます。 我が公明党は、深刻化する自殺者の増加に対応するため、先ほどの答弁にありました自殺対策基本法の制定をリードしてきました。さらに、自殺者数が高どまりしている事態を打開するため、この2月には自殺防止対策プロジェクトチームを設置し、早速議論がスタートしました。また、我が公明党は、自殺との関連が強いうつ病対策について、薬物だけに頼らず患者自身が持つ否定的な思考を改善する認知行動療法の保険適用を昨年の4月に実現しました。聞くところによりますと、本市では、この療法を主たる治療法として取り入れている医療機関はないとのことですが、他の自治体の医療機関における療法の効果の情報収集をして、広く情報開示することも行政の役割ではないかと考えます。ぜひ検討していただくよう要望いたします。 次に、JR奈良駅南特定土地区画整理事業につきましては、御答弁でありましたが、事業費ベースで21%の進捗率ということで、27年度の完成に向けて着実に事業推進していただきたいと考えます。 最後に、防火防災対策についてですが、総務省消防庁において発表された昨年の12月時点での住宅用火災警報器の推計普及率について、奈良県下の各消防本部の全体の普及率は55.9%とのことでした。先ほどの御答弁の中で、本市の普及率は68.3%であり、県下各消防本部の中では上位に位置しております。これは、本市の消防行政にかかわる諸機関や地域の消防団、また女性防災クラブ等の諸団体の皆さんが日ごろ御尽力いただいている成果であると感謝しております。ただし、企画環境委員会で定期的に報告される火災事故等の発生件数には、顕著な減少傾向は見られません。本年度中に計画どおりの防火訪問が完了できるとのことでしたが、その後も引き続き防火訪問活動を継続していただくことと、その活動の中で、特に高齢者世帯に対しての防火についての意識啓発の推進をしていただくことを要望しておきます。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(中西吉日出君) 7番酒井君。   (7番 酒井孝江君 登壇) ◆7番(酒井孝江君) 無所属の酒井孝江です。よろしくお願いいたします。 まずは、なら奈良館廃止と観光・商業への振興策について市長にお聞きします。 なら奈良館は事業仕分けで廃止と決まり、実行されようとしています。しかし、仲川市長の観光や商店に対する御認識は低いと思います。観光振興の具体的なビジョンがなく、行き当たりばったりという印象が強いのです。奈良市は、昼間人口が少なく、大阪府への勤務者に頼る財政構造が大きかったのですが、それも団塊の世代の退職に伴い、終わりつつあります。貴重な地場産業である観光と商業に対する具体的な振興策についてお聞かせください。 次に、緊急雇用創出事業補助金について観光経済部長にお聞きします。 緊急雇用創出事業補助金で3億9000万円余りが計上されています。現在、失業率は上がり、若者たちは非正規雇用が多く、不安定な状況にあります。このお金はそれらの失業者や不安定な雇用状態にある人たちに対して、次の雇用につながる形で使わねばなりません。しかし、奈良市の支出は何らそういうことを踏まえた戦略性が見えません。若者の就業に対する状況を助け、次につながるものではありません。どのような視点で今後を展望した雇用創出事業をされるのか、お聞きしたいと思います。 次に、大宮通り景観整備事業について都市整備部長にお聞きします。 大宮通り景観整備事業に120万円余りが予算計上されています。通行すれば明らかでありますが、市内では景観対策が不十分で雑多な看板などが散見し非常に見苦しく、到底国際文化観光都市とは言いがたいと思っています。大宮通りだけに不十分な支出でどうされるのか理解できません。奈良市全体の景観対策も含め、今後の事業展開についてお聞きしたいと思います。 次に、買い物難民について観光経済部長にお聞きします。 2月4日の奈良日日新聞に「買い物難民を救え、ニュータウンからもSOS」というタイトルで特集が組まれ、ミニコンビニが1軒でもあればという市民の声が紹介されていました。東部中心市街地からの大型店撤退や学園前駅周辺からの大型電気店撤退、それぞれの路面店化により高齢者や車も持てない非正規社員として頑張っている若者などにとって、買い物難民と言われる状況は私たちの奈良市にも生じています。 このような市民の困難に対して、例えば高齢者向けの店やコンビニの誘致、あるいは最近大都市部に展開している小規模スーパー店舗など、市としてできることがあるはずです。状況の御理解と対応についてお聞きしたいと思います。 次に、議案第47号 市道路線の認定について建設部長にお聞きします。 整理番号46、西部第1333号線について市道の認定をしようとされていますが、この路線は県道であり、県がバイパスを新設したことで復路線になった路線です。このような旧道をこの30年間、奈良市事業に関係のある一、二路線を除いて市道に認定し引き継いだことはなく、そのまま県道として県に管理いただくようになっていると聞きますが、この路線だけ唐突に引き継がれようとすることに疑問を抱かざるを得ません。また、この事例をきっかけに、これまでの路線やこれからの同一事例の箇所が生じた場合も引き継ぎの話が生じると思います。引き継げばまた維持管理費がかかり、奈良市の財政を圧迫します。なぜここだけを突然市道認定されようとするのか、その理由と今後の県道の引き継ぎの可否についてお聞かせください。 次に、学園前ホールのスクリーンについて市民活動部長にお聞きします。 昨年、シネマデプト友楽が閉館となり、奈良市内には1館も映画館がなくなり、これは県庁所在地としてはただ1市で、そのため東部市街や学園前で映画を見たいため自主上映が盛んになっています。ところが、学園前ホールでは、映写機はあるものの、不思議なことに映画用のスクリーンの設備がなく非常に見にくいですが、つなぎ部分がある自家製の布を広げて映写しています。やはり見にくく困っています。なぜ映写機があってスクリーンがないのか、理由と、市民の文化活動のためスクリーンを今後設置していただけないか、お聞きします。 次に、子育て予算について、保健福祉部長にお聞きしようと思っていましたが、時間の関係で割愛させていただきます。なお、次の8番と9番も時間の関係で割愛させていただきます。 次に、子育てタクシーの運行について保健福祉部長にお聞きします。 3人乗り自転車が危ないので、警察がやめさせようとして母親たちの反対を受け、安全なものに設計をつくりかえた3人乗り自転車があります。しかし、今も安全基準に達していないような自転車で、幼い子供たちを前後に座らせ、ヘルメットもかぶせずに自転車を走らせる親御さん方をよく見かけます。先日も、雪で滑って自転車が倒れ、5歳の女児が投げ出されて、車に腹をひかれた事故が報道されていました。児童虐待に近いと思います。 3月8日の毎日新聞に、中学生の交通事故の9割近くが自転車乗車中だったとあり、専門家が自転車を取り巻く問題に社会的関心が低かった結果、立場の弱い子供が犠牲になっていると警鐘を鳴らしています。 また、テレビで広島大の先生が、公共交通の一環としてタクシーを活用すべきと言われていました。現在、奈良市では重度障がい者にタクシーの利用補助を行っていますが、同様に子育てタクシーの運行について何か協力できませんでしょうか。 次に、学校給食の無料化について学校教育部長にお聞きします。 先日、韓国のソウル市で小学校1年から3年までの学校給食費の無償化がスタートしたとの報道がありました。我が国でも、明石書店の「子どもの貧困白書」の帯には、「給食のない夏休み、体重の減る子がいる」とあります。また、学校給食については、学校給食法制定当時、文部省は、「本来ならば無償が望ましい」ともしていました。元国連職員で国立社会保障・人口問題研究所の阿部 彩さんの著書「子どもの貧困-日本の不公平を考える」、岩波新書では、「子供の貧困に手厚い保障を図ることが貧困の連鎖を絶ち、次世代社会が負うべき社会保障コストを引き下げる」と主張され、子供の貧困対策は基本的人権尊重の観点のみならず、経済的に見ても妥当な社会的選択であると強調されています。私自身も、子供に投資することは将来の経済成長につながると思います。子育てしやすい施策を積極的に実施した自治体の出生率が上がってきている報道もよく見聞きします。 既に、北海道三笠市、茨城県大子町など、給食の全部、一部を補助している自治体や朝食を出す自治体もあります。2009年の12月定例会で、私は、給食費の無料化を求めました。無料にした場合の市の年間経費は平成21年5月1日現在の児童数、生徒数で計算すると、小学校48校、1万8,540人で約7億9536万円です。奈良市でも、小学校1年生だけでも、まず実施するべきではないでしょうか。小さい子供ほど食事を確実にとることが重要だと思います。本来は無償が望ましいとされているのに、父母に給食費の負担を負わせるのは不当だと考えます。 次に、学校にエアコンをつける必要について教育総務部長にお聞きします。 ことしもまた暑い夏が来るかと思うと、ぞっとします。昨年9月の定例会で私は、NHKのクローズアップ現代で昭和大学准教授の三宅康史先生が、今までの夏と違って日本の夏はもうステージが上がって非常に危険な夏になっています。ことしは熱波元年ととらえて、来年以降、総合的な対策が必要になってくると思います。と言っておられたことを御紹介しました。小さな子供やお年寄りが熱中症に特に弱いことが指摘されています。ことしの夏までには小学校低学年の教室だけでも順次エアコン設置をしていただけませんでしょうか、学童保育の利用時間を試行的に延長しておられるように、これも一部の学校からでも、1年生からだけでも試行的にでも始めてみてください。 昨年の夏、マンションの最上階に住んでいる友人が、昼はもう蒸しぶろ状態なので部屋におれないと言って、エアコンが効いている図書館やショッピングセンターなどに避難されていました。 校舎の最上階の暑さは特にひどいかと思います。屋上に植木鉢等を並べるなどして屋上の緑化も考えられるのではと思います。 次に、食料自給率について観光経済部長にお聞きします。 少し古いですが、農林水産省の世界の食料自給率2003年によると、食料の自給自足率は日本40%に対し、アメリカ128%、フランス122%、オーストラリア237%です。 3月8日の日本経済新聞電子版によると、米上院議員団が日本のTPP環太平洋経済連携協定参加について、米国産牛肉の市場開放を条件とする要望書をオバマ大統領に送ったということです。米通商代表部は日本の牛肉市場へのアクセス改善は政権の優先事項だと指摘し、日本のTPP参加は米国産牛肉の輸入拡大が前提となる見通しが濃厚になりました。 BSEに感染した牛肉を食べると、狂牛病、クロイツフェルト・ヤコブ病になると言われています。米国産でBSEの疑いを受けた牛が発見されたとき、日本と韓国は当面の米国産牛肉輸入差しとめ措置をとりました。世界最大の牛肉生産国であるアメリカに対し、牛肉輸入量で第1位と第3位を占めていたと言われる日本と韓国の輸入停止によりアメリカ経済に与えた影響は極めて大きかったといいます。ちなみに欧州連合はこのとき、牛の成長ホルモン、成長促進剤投与をめぐって、輸入を禁止していました。アメリカでは30カ月未満の牛にはBSE検査が行われることはなく、日本のようなBSE検査を受けないままに市場に出回ると聞きます。アメリカは、日本が求める厳しい検査を導入しないようです。そこには、アメリカ食肉産業の特殊な構造が関係するといいます。 アメリカの食肉業界は、5つの大手食肉加工企業が市場の80%近くのシェアを占め、牧場での飼育から販売までに強い影響力を持ち、政治への影響力も強大だといいます。アメリカにおける食肉に関する政策決定には、常にこの大手食肉加工企業の意見が反映されるそうです。加工企業とつながりの深い全米牧場主協会の会長は、BSE検査自体必要ないのではないかと主張されているそうです。BSE規制を強めると業界が負担するコストが増大することを恐れていると言われます。 政府が進めようとしているTPPに参加することで、このような心配な米国産牛肉がさらに輸入されることを私は大変恐れます。そして、日本の農業が危機的な状況に追い込まれ、心配な遺伝子組み換え食品、農薬等が多く使われた食品が大量に国内に出回ることを、健康の面から非常に心配します。TPP反対の多くの声が議会にも多数寄せられています。私も同じ思いです。 私は食料はできるだけ国内で賄うべきだと思います。身近なところでつくられたものは、つくった人の顔が見え、一番安心して食べられるからです。地産地消を進めることは自然環境の保全を図れ、農産物の輸送で発生するCO2削減にも貢献します。日本の食料自給率は昔は70%近くあったと聞きます。国内でも、東北や北海道、九州には自給率150%以上のところもあるようですが、東京・大阪・名古屋付近は低いです。各自治体の努力が試されるかと思います。 昨年12月1日、NHKクローズアップ現代で「“週末ファーマー”200万人の可能性」という番組を見て、これだと思いました。週末や仕事の合間に農業を楽しむ国民が200万人もいて、農業就業人口260万人に迫る勢いだということです。低迷する日本の農業に新たな風を吹き込むのではと期待されています。 私の住む学園前でも、本当に多くの近所の皆さんが畑を借りて野菜を育てておられます。本来、人間とは自然に親しんで心も豊かになるのだと思います。農業を守ることは、命や健康、環境や平和等、あらゆるかけがえのないものを守ることだと思います。自治体が積極的な取り組みをしている例として、神奈川県南足柄市が紹介されていました。食料の自給自足率向上に向けて、奈良市の取り組みはいかがでしょうか。 以上で私の1問目を終わります。 ○副議長(中西吉日出君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) 酒井議員からの御質問にお答えをさせていただきます。 まず、観光の御質問でございますけれども、観光振興につきましては、世界観光機関からのシルクロードプロジェクトへの参画や中国における観光プロモーション、また中国人観光客向けの決済システムの導入など、さまざまな誘致と受け入れ環境の整備を図ってまいりたいと考えているところでございます。 また、平城宮跡におきましても、県と共同で春・夏・秋と魅力的なイベントを継続して実施する、そしてまた観光産業を新たに立ち上げようとする起業者に対する支援など、さまざまな方策を打ってまいりたいと考えているところでございます。 次に、商業の振興策についてでございますが、近年、郊外型大規模商業施設が本市を取り囲むように、生駒市、木津川市、大和郡山市に相次いで進出いたしておりまして、消費の流出が懸念されているところでございます。 このような中で、市外への消費の流出を防ぐためには、市内での消費の喚起が必要であると考えております。そのための施策といたしまして、マニフェストにもございます街の商い繁盛プロジェクトを盛り込み、奈良まちなか市場といたしまして、毎回テーマを変えながら計3回開催をいたしてきたところでございます。 平成23年度におきましても、引き続き同様の施策により、商業の振興に努めてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(中西吉日出君) 観光経済部長。   (観光経済部長 山本二郎君 登壇) ◎観光経済部長(山本二郎君) 酒井議員の御質問にお答えいたします。 まず、緊急雇用創出事業補助金についてでございますが、奈良市では、現在の雇用情勢をかんがみ、奈良県緊急雇用創出事業補助金を活用して全庁的に事業を実施いたしております。これは、若年層及び中高年齢者等の失業者の生活の安定を図るため、一時的なつなぎの雇用、就業機会を創出、提供するものでございます。平成23年度は38事業で、総事業費4億404万円、延べ192名の雇用を目指し、県に事業要望をいたしているところでございます。 続きまして、買い物難民につきまして、大型店等の撤退に伴う状況と今後の対応についてでございますが、今までありました大型店が中心市街地や学園前地域から撤退し、市郊外へ移転している状況がございます。それへの対応のため、地元の人材・施設・資金等の地域資源を活用し、地域課題を解決していくコミュニティビジネス創業支援の中で今後検討するとともに、地域ボランティア等による支援体制の構築を推進していく必要があるため、関係部署と連携し、買い物難民対策に努めてまいりたいと考えております。 続きまして、食料自給率について、本市の食料自給率向上への取り組みと今後の目標についてでございますが、我が国の食料自給率は40%と主要先進国の中で最も低い数値となっており、安全安心な食料の安定供給を図る上で、食料自給率の向上が今日の日本農業の課題となっております。 本市におきましては、認定農業者や集落営農による意欲的な農業経営に広がりを見せている一方、農業従事者の減少、高齢化、農業生産の停滞、耕作放棄地の増加などの課題を抱えております。こうした中、本市の主要作物である米・イチゴ・トマトなどの生産振興や担い手の育成確保、農地の有効利用に取り組むとともに、食育や都市と農村との交流、地産地消の推進を通じて農作物の消費拡大を図り、食料の生産と消費が一体となる施策を講じているところでございます。 今後は、地域の特色を生かした農作物の生産振興と消費拡大を図っていくことが食料自給率向上につながると考えております。 以上でございます。 ○副議長(中西吉日出君) 都市整備部長。   (都市整備部長 湯浅起久君 登壇) ◎都市整備部長(湯浅起久君) 酒井議員の御質問にお答えいたします。 景観行政についての御質問でございますが、本市ではこれまで景観の保全や育成に取り組み、一定の成果を上げているところでございますが、特に市街地につきましては周辺環境と調和しない建築物や屋外広告物が存在しており、景観を阻害する要因にもなってございます。 このような課題に取り組むため、景観法に基づく景観計画を平成22年度に策定し、本市の景観特性を整理した上で、大規模建築物等の景観誘導や屋外広告物の誘導規制を強化するとともに、特に景観形成を図る必要がある区域につきましては景観形成重点地区に指定し、地区ごとのデザインガイドラインを作成することで、奈良らしい景観形成に取り組んでいるところでございます。 特に大宮通り沿道地区につきましては、奈良県の景観区域においても重点的に取り組む地区と位置づけられており、沿道景観にそぐわない建築物や屋外広告物の意匠形態の修景を図るため、平成23年度におきましては、県より大宮通りの景観整備支援事業の補助を得て取り組んでまいる計画となってございます。 以上でございます。 ○副議長(中西吉日出君) 建設部長。   (建設部長 奥田和雄君 登壇) ◎建設部長(奥田和雄君) 酒井議員の御質問にお答えさせていただきます。 市道西部第1333号線についての認定理由と今後の県道引き継ぎの可否についてでございますが、道路は高規格道路、あるいは市域と市域を結ぶ幹線道路、また生活道路といった性格のものがございます。今議会に市道認定を上程させていただきました道路は、今まで奈良県が主要地方道枚方大和郡山線として枚方市から大和郡山市を結ぶ幹線道路として供用いたしておりましたが、奈良県によりまして富雄川右岸側にバイパス整備したことにより、延長205メートルの区間が廃止されました。しかしながら、この道路は今後も市民生活に密着した生活道路として利用されることから、市が管理すべきものと判断し、県と協議を重ね、一定の引き継ぎ条件が整理されましたので、このたび市で市道認定をしようとするものでございます。過去におきましても、協議が整ったものは引き継ぎをし、認定している路線もございます。 また、今後の県道引き継ぎにつきましても、県から具体的な協議があり、引き継ぎ条件が整理されたものについては市道として引き継いでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(中西吉日出君) 市民活動部長。   (市民活動部長 片岡隆弘君 登壇) ◎市民活動部長(片岡隆弘君) 酒井議員の御質問にお答えいたします。 学園前ホールの映画用大型スクリーンの配備についてでございますが、16ミリ映写機と附属スクリーン及びプロジェクター用の200インチのスクリーンにつきましては、映像備品として貸し出しを行っております。また、35ミリ映写機やそれに対応した大型スクリーンにつきましては、主催者の持ち込みにより実施をしていただいております。 学園前ホールでの映画上映会は、主催、貸し館を含めて毎年年間10回程度実施しておりますが、映画用大型スクリーンについての設置要望等が出された経緯はございません。なお、御指摘の内容につきましては、再度調査してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(中西吉日出君) 保健福祉部長。   (保健福祉部長 栗原健二君 登壇) ◎保健福祉部長(栗原健二君) 酒井議員の御質問にお答えをいたします。 子育てタクシーの運行についての御質問でございます。 平成20年7月に全国子育てタクシー協会に加盟いたします市内の民間タクシー会社が、玄関先までの送迎ができるタクシーのメリットを最大限生かし、乳幼児を持つ家庭の外出時や親のかわりに責任を持って子供の送迎を行う安全安心な子育てタクシーの運行を始められました。このタクシーにはチャイルドシートが備えられ、子供とのコミュニケーション技能を身につけた運転手が乗務されています。同社では、ドア・ツー・ドアの機動性を生かし、保育施設、学校や妊産婦の送迎などさまざまなニーズで子育て支援に役立ちたいと考えておられます。 本市では、運行に先駆けまして、子育て事情を理解していただくため、職員を派遣し、いわゆる講師として協力をさせていただいたという実例がございます。 以上でございます。 ○副議長(中西吉日出君) 学校教育部長。   (学校教育部長 森井 弘君 登壇) ◎学校教育部長(森井弘君) 酒井議員の御質問にお答えいたします。 学校給食無料化についてでございますが、現在、本市におきましては、食材料費のみを保護者に負担いただいております。これは、学校給食法第11条において、学校給食に係る経費以外の経費、つまり食材料費は保護者負担であると明記されており、法的根拠に基づいております。 仮に無料化を想定した場合、平成22年度に置きかえますと、児童・生徒約1万8000人の給食費を市の財源で賄う必要があります。あわせて、現在、中学校給食の導入を検討していることもあり、奈良市の財政状況をかんがみると、給食費を無料化することは困難な状況であると考えております。 以上でございます。 ○副議長(中西吉日出君) 教育総務部長。   (教育総務部長 荒木惠子君 登壇) ◎教育総務部長(荒木惠子君) 酒井議員の御質問にお答えいたします。 学校にエアコンをつける必要についてでございますが、普通教室にはプレハブ校舎や近隣の騒音等などの特別の事情がある場合を除いて、設置していないのが現状でございます。しかしながら、昨夏の残暑は平均に比べ非常に暑く、各自治体もエアコン設置について苦心されておりますが、多額の経費を要することから、一部の自治体を除いて設置に踏み切れていないのが現状でございます。 本市におきましても、学校・園施設の耐震化や老朽化など早急に対処すべき改修があり、新年度におきましては、子供たちの安全性を確保するための耐震化を優先して行ってまいりたいと考えております。したがいまして、暑さ対策として扇風機などで通気性をよくしたり、よしずや植物の栽培などで日よけを行うなど、教室の温度を上げない工夫を学校と検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(中西吉日出君) 7番酒井君。 ◆7番(酒井孝江君) 2問目は、自席から要望とさせていただきます。 保健福祉部長にお願いします。 子育てタクシーの必要な背景として、子連れの電車での移動は大変な問題があります。大和西大寺駅にエレベーターがなかったとき、赤ん坊をベビーカーに乗せたまま、おむつの大きな荷物を持って階段をおりられずに困ったときがありました。できるだけ荷物はリュックに入り切る程度しか持たないようにしていても、おむつは大きくて入りません。荷物を置いて子供とベビーカーを先におろしたとしても、荷物を取りに上がっている間に、急いで行き交う乗客らにベビーカーが倒されないか、ベビーカーと子供と荷物を持って階段をおりているときに、子供を落としてしまったら、子供はコンクリートで頭を打ってしまう、私は天を仰ぎたい、泣きたい気持ちでいっぱいになりました。そのとき、「手伝いましょうか」と声をかけてくれたのは、50から60代ぐらいの女性でした。そういう場面で困っている女性の気持ちがわかるのは、やはり女性でした。私は本当に涙が出るほどうれしかったです。 また、フランスなどでは、電車で乗りおりするときは、ベビーカーの親子が最優先にされます。周りの男性方が持ち上げて運んでくださるそうです。日本では、ベビーカーは周りに遠慮して最後に乗りおりしています。最後に出るので間に合わず、扉が閉まりかけてベビーカーが挟まれ、ベビーカーごと赤ちゃんが電車に引きずられ、大けがをする事故がたびたび起きています。ベビーカーの親子や小さな子供連れの親子を最初に乗りおりさせるように、乗客に対して、電車やバスの中で放送するよう要望してください。優先座席も、お年寄りや妊婦に席を譲るようにと、臨月のような大きなおなかの女性の絵がガラスに張られています。しかし、妊娠8カ月以上になると、逆によく動きなさいと医者から言われる妊婦も多いのです。妊婦は、人によって絶対安静が必要な人もいれば、動かないといけない人もいます。しかし、まだ安定期に入っていない妊娠3カ月目までは、できるだけ安静が必要で、電車の座席も優先して譲られるべきです。しかし、妊娠3カ月ごろは、まだおなかはぺっしゃんこです。厚生労働省が出しているマタニティマークはそのためにあります。臨月のような大きなおなかの女性の絵をガラスに張るのではなく、マタニティマークを張り、「このシールを持っている女性には席を譲りましょう」と書くよう、公共交通に要望してください。 以上で私の発言を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(中西吉日出君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。     午後2時5分 休憩     午後3時0分 再開 ○副議長(中西吉日出君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- ○副議長(中西吉日出君) 質疑並びに一般質問を続行いたします。 10番山本直子君。   (10番 山本直子君 登壇) ◆10番(山本直子君) 共産党の山本直子です。 先ほど強い地震がありまして、皆さん、大変驚かれたのではないでしょうか。三陸沖では大きな津波の予報が出ています。惨事が起きないように祈るばかりです。 私は、通告しております数件について、関係理事者に質問させていただきます。 共産党では、昨年から暮らしのアンケートを実施し、市民の皆さんから御意見や要望をお聞きしています。その回答が今2,200通を超えています。回答の中には、昨年よりも暮らし向きが厳しくなったという声が多数で、全体の78%にも上っています。自由に記述をしてもらうところには、収入が減って、少々の風邪や、体にしびれがあっても病院には行かないという70代男性や、介護保険料や国民健康保険料も払わないと医者にも行けないし、ヘルパーさんにも来てもらえない。どうしたらいいのかという声も寄せられています。これは、きっと年金で暮らされている高齢者の方ではないでしょうか。 また、今回のアンケートで大きな特徴は、若い世代からの回答が大きく寄せられていることです。これまで日本共産党でもアンケート調査を行ってきましたけれども、このようなアンケートには、若い方々からの回答が来ることは余りありませんでした。雇いどめによる失業で、ハローワークへ行っても職が見つからない。働きたくても働けない。何とか仕事をしたい、働く意欲がある30代の若者からの訴えです。子供を持つ女性からは、「無認可の託児所ではなく公立の保育所に預けて働きたい。けれども、公立の保育所にはなかなか入れない」などです。 若い人たちや子育て世代から高齢者の方まで、あらゆる年代から暮らしの先行き不安や要望を聞かせていただきました。どの方の声もみんな切実です。私は、そんな、お寄せいただいた皆さんの声を議会へ届けて、暮らしの願いを実現するために、きょうもこの場に立たせていただいております。 それでは、質問に入ります。 まず初めに、奈良市の住宅施策について、建設部長にお聞きします。 奈良市の市営住宅で昭和28年に建築された木造住宅に、今もお住まいの方々がいらっしゃいます。そこにお住まいの方は、ほとんどが高齢者です。かなり老朽化して、先ほどの地震もありましたけれども、阪神大震災などの災害に見舞われたら、そんな心配があるけれど、引っ越しをすると家賃が上がってしまって、とても生活していくことができない、不安を抱えながらも、そこにお住まいになっています。 奈良市の平成22年度市政概要の住宅のところを見てみると、奈良市で残っている木造の市営住宅は法蓮町の昭和25年に建てられたものと、富雄元町四丁目にある昭和28年から29年にかけて建てられたもの、この2カ所です。奈良市の住宅施策について、既存の木造住宅について建てかえ計画はどのようになっているんでしょうか。また、今ある木造住宅は道幅も狭くて、建てかえにはかなり困難な立地条件があるように思いますが、もし建設計画がないとすれば、その場合、どのような計画を持っておられるのでしょうか。 2問目に、先般も市民の方から、「ここ数年、何度も市営住宅に応募しているが、抽せんで外れてしまって入居することができない」と御相談がありました。近年、応募がふえて、倍率が高くなると聞いていますけれども、今年度の状況と今後の対応について御答弁をお願いします。 次に、保健福祉部長に伺います。 今、子供の問題は本当に多岐にわたっています。それは、子供の親たちの生活が多様化していることや、親の就労や収入、それによって形成される生活環境などが子供の発達や衛生、教育などに直結し、大きく左右されてしまうからです。虐待の問題も多くは貧困と連鎖し、その内容も複雑化しています。困難を抱えた家庭への支援、近年増加している発達障害を持った子供への療育体制など、現状は子供たちが安心してゆっくりと成長できる環境が保障されているとは到底言えません。また、少子化と言われていますけれども、今の社会構造は子供を安心して産んで育てられる環境が整っていないことが一番の要因です。自治体や国など、政治的責任を果たす役割は多いにもかかわらず、本当に子供の最善の利益が保障される政治体制にはなっていません。 さらに大切なことは、出生率は低くても、生まれてくる子供をどのように慈しみ、一人の人間として育てていくかというのが検討されなくてはなりません。これは、個人だけの問題ではなく、子供の周囲でかかわる大人や地域・行政・社会といった大きな枠組みでの課題として取り組まなくてはなりません。行政が担う役割は、まず、縦割り組織ではなく、担当課が横の連携をとり、相談があったとき必要な支援がワン・ストップで行えることです。 そこで、子ども未来部について2点お尋ねします。ことし4月からスタートする子ども未来部、子供たちの笑顔がきらきら輝く明るい未来を想像するような名前の部ですが、この子ども未来部ができることとなった経緯をお聞かせください。また、子ども未来部ができることによって、奈良市の子供にとってどんな利益につながっていくとお考えでしょうか、お聞かせください。 関連して、発達障害等の支援についてお聞きします。 議会初日での市長は、子ども発達支援施設を設置するため、今年度予算では施設の耐震診断と実施設計を行うと述べられました。この子ども発達支援施設を開設した場合、現在、総合福祉センターにあるみどり園の運営というのはどうなるでしょうか、御答弁ください。 続いて、保育施策についてお聞きします。 慢性的な待機児童の問題で、特に乳幼児保育は保育士さんの数も必要で、必要数の保育士さんを確保するにはなかなか非常勤では応募がなく、深刻な状態が続いています。今、全国でも待機児童はこれまでの最高を記録しているそうです。そこで、民間保育所運営の運営費補助金の1歳児保育士加配について、今、現状はどうなっているのでしょうか。また、県からの補助はどうなっているでしょうか、お聞かせください。 次に、生活保護施策について、2点伺います。 ここ数年、経済状況が回復せず不安定な雇用で職を失う方や、倒産、リストラ、高齢者の生活困窮などから生活保護が急増しています。生活保護の受給者数がふえれば、受給者の方々それぞれに同じ数だけそこにたどり着くまでの複雑に絡み合った社会的要因が多く含まれています。生活保護は最後のセーフティーネットです。最低基準の見直しや削減された加算の回復など、時代に即した制度に改善していく必要があると思いますが、保護費の受給だけではなく、保護を受ける要因となった部分への、より添った支援も検討されなければならないと思います。 そこでまず最初に、制度について伺います。来年度から制度的に、例えば住宅扶助、いわゆる転居に伴う費用のことですが、この取り扱いについてなど、何か制度的に変更されることはあるでしょうか、お聞かせください。 2点目は、生活保護は生活に必要な経済的援助は言うまでもなく必要なわけですけれども、先ほど申し上げた被保護世帯は、そこに至るまで幾つもの困難に直面してたどり着くケースが多く、経済的援助だけではなく、その人一人一人が抱える困難を乗り越えて、本当に自立に至るにはメンタルなケアも欠かすことができません。不正受給の取り締まりや、また、自立を促すためという理由で、ある程度期間を区切って保護を打ち切るといったことも検討されているようですが、時限的な打ち切りでは本当の自立にはつながらず、保護受給の繰り返しの悪循環、根本的な解決につながるものではありません。保護を受けていても、本当にその人が自立をして、そして保護を受けなくても社会の一員としてやっていける、そして奈良市でしっかりと税金を納めてもらう一人の納税者になってもらう、これは必要なことではないでしょうか。被保護世帯に対する自立支援の充実についてどのようにお考えか、御答弁をお願いします。 次に、総務部長にお尋ねいたします。 税外債権徴収の回収強化について3点伺います。これも、市長の議案説明の中で、税外債権回収については徴収体制を強化していくとありました。債権回収の強化のためには、まさにそのものの課、債権整理課があるわけですが、未収債権の移管について債権整理課で基準があれば、御答弁ください。 債権整理課では、現在、債権管理マニュアルをつくっておられるということですが、その進捗、中身をお聞かせください。 奈良市では、国保年金課、保育課、介護福祉課、下水道総務課などの課が集まって、奈良市債権回収対策本部という組織があるそうですが、それはどのようなものでしょうか、教えていただきたいと思います。 次に、企画部長に、コミュニティバスのことについて2点伺います。 高齢者の増加に伴って、特に住宅地でコミュニティバスなどの要望が年々ふえていることは明らかです。私は、議員になって本会議で初めて質問したときも、このコミュニティバスのことを取り上げました。また、機会あるたびにその後も取り上げてきました。それほど公共交通空白地域にお住まいの皆さんからの要望は切実だからです。平成22年度、このコミュニティバスの調査について、初めて予算がつけられました。また、平成23年度も予算が上がっています。そこで、今年度どこまで進捗したのか、また、来年度どんな計画を持っておられるのか、御答弁ください。 これで、私の1問目を終わります。 ○副議長(中西吉日出君) 建設部長。   (建設部長 奥田和雄君 登壇) ◎建設部長(奥田和雄君) 山本議員の御質問にお答えさせていただきます。 まず、木造の市営住宅について建てかえ計画はないのか、また、建てかえ計画がない場合、どのような対応を考えているのかについてでございますが、現在、奈良市が管理しております木造の市営住宅は3団地ありまして、51戸の管理戸数となっておりますが、老朽化に伴いまして36戸のみの入居戸数となってございます。この木造の市営住宅の建てかえにつきましては、都市計画法や奈良県風致地区条例等、法的規制により有効な土地利用が図れず、現地での建てかえが困難なことから、奈良市営住宅ストック総合活用計画の中では、将来、用途廃止の位置づけとなってございます。このことから、現在の入居者の方々から希望があれば、ほかの団地への特定入居といった形で転居していただくことも考えております。 次に、市営住宅の募集における応募状況とその対応についてでございますが、定期空き家募集につきましては、年4回実施いたしております。平成22年度での一般向け空き家募集につきましては、33戸の募集に対し844件の申し込みがあり、25.6倍と高い倍率となってございます。これは、本市での状況として民間住宅を含む住宅戸数は世帯数を上回っており、住宅供給量は充足しているものの、住宅を必要とする低額所得者層の増加により、都市再生機構や民間賃貸住宅の高家賃住宅からの住みかえで、低廉な家賃の市営住宅への入居希望者がふえ、高い申し込み倍率になっているものと考えてございます。 このことから、対応といたしまして、退去住宅の改修を早急に行い、空き家募集戸数をふやすこと、また一方、民間賃貸住宅の借り上げ等も視野に入れた対策を研究してまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○副議長(中西吉日出君) 保健福祉部長。   (保健福祉部長 栗原健二君 登壇) ◎保健福祉部長(栗原健二君) 山本直子議員の御質問にお答えさせていただきます。 まず、子ども未来部新設の経緯についてでございます。 保健福祉部子育て支援室の業務を核として、保健所の母子保健に関する業務、教育委員会の幼稚園と市長部局の保育園の連携に関する業務など、各部局にまたがっている子育てに関する施策をできるだけ集約することにより、子供に関する施策について総合的見地に立って計画、推進するとともに、子育て世代の利便性を図ろうとするものでございます。 次に、子ども未来部創設によります子供の利益についてということでございますが、子ども未来部の創設によりまして、子供、特に就学前の子供を一体的に支援していくために、子供に関する施策が円滑、迅速に対応できる体制が整えられることとなります。具体的には、現在、保健所の健康増進課で行っております乳児家庭全戸訪問事業と子育て課の養育支援訪問事業を一体的に行えることにより、児童虐待の早期発見・早期予防につながることや、就労形態など社会環境の変化による保育ニーズの多様化に対して、就学前児童に対する教育と保育の一本化を図ることにより、国で策定中の子ども・子育て新システムを視野に入れながらチルドレンファーストを基本とした施策を図れるものと考えております。 次に、子ども発達支援施設を設置した場合、現在のみどり園の運営についての御質問でございます。みどり園は、就学前の心身障がい児の親子通園施設として障がい種別と年齢に分けた4クラスで、保育士の資格を持つ職員が適応訓練などを行っております。子ども発達支援施設を開設した場合も、みどり園の運営は継続して行う必要があると考えております。 次に、民間保育所運営費補助金の1歳児保育士加配についての御質問でございます。奈良市では、1歳児保育事業補助として、1歳児の保育士の加配を行うことに対して補助を行い、低年齢児保育の充実を図ってまいってきております。この補助金につきましては、毎年奈良県の予算を参考にさせていただき、県下の市町村と足並みをそろえさせていただいているところでございます。しかし、現在のところ、県の来年度予算の把握が完璧ではございませんので、今後、県の動向を見据えながら検討してまいりたいと考えております。 なお、奈良市は中核市であることから、この補助金に対しての県費補助金はなく、市単独で対応しております。平成21年度の補助単価は園児1人当たり1,780円となってございます。 次に、生活保護に関します御質問でございます。平成23年度からの制度改正があるのかということでございます。生活保護制度の住宅扶助の取り扱いについてでございます。住宅扶助の敷金につきましては、生活保護の実施要領により家賃基準の3倍までとされております。しかし、地域の住宅事情により住宅の確保が困難であることから、やむを得ないものとして本市を初め奈良県及び近畿各府県でも7倍範囲内とする特別基準を国の承認を得て設定いたしております。しかし、最近の住宅事情から、特別基準の見直しが検討され、全国的にそれぞれの地域で敷金に関する実施調査が行われ、その結果、平成23年4月1日から、本市においては奈良県と同様に家賃基準の5倍の範囲内を適用することとして厚生労働省から示されております。 次に、被保護世帯に対する自立支援の充実についての御質問でございます。長引く経済の落ち込みにより、全国においても被保護者が急増しており、本市においてもその傾向は顕著にあらわれております。その中には、稼働能力がありながら働くことができない世帯や、さまざまな要因により問題を抱えている世帯もございます。そこで、できるだけ早期に自立を目指すためには、就労支援の充実が不可欠で、本市でも昨年の11月から就労支援相談員を配置しており、新年度におきましても、さらに2名の増員を図ってまいりたいと考えております。 また、被保護世帯の抱えるさまざまな問題を解決するため、臨床心理士や精神保健福祉士などの資格を有する専門職員の配置につきましても、他市の状況について調査してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○副議長(中西吉日出君) 総務部長。   (総務部長 浦出雅史君 登壇) ◎総務部長(浦出雅史君) 山本直子議員の御質問にお答えさせていただきます。 税外の未収債権の回収についてのお尋ねでございます。 まずは、未収債権の移管につきまして、平成22年度の移管債権と移管の基準についてでございますが、国民健康保険料につきましては、社会保険に移行の滞納20万円以上の世帯、それと滞納100万円以上の世帯、また保育所保育料につきましては、園児が退所している家庭で滞納20万円以上、介護保険料は所得段階が8段階以上、所得金額にいたしまして400万円以上の方で滞納が10万円以上、また下水道事業受益者負担金につきましては、滞納10万円以上という基準を定めて実施しているところでございまして、現在、債権整理課におきまして30件の移管を受けまして、未収債権の回収に努力いたしているところでございます。 次に、債権管理マニュアルの作成状況についてでございます。現在、ほぼ完成しておりまして、この3月末に開催予定の奈良市債権回収対策本部会議におきまして、最終の庁内調整と確認を行いまして、新年度の4月中には未収債権を抱える担当課に配付をさせていただく予定をしております。なお、この中身についてということで、あわせて御質問ちょうだいしたわけでございますが、この債権管理マニュアルにつきましては、債権の適正な管理ということで、債権の回収、また整理に至る一連の事務のマニュアルでございまして、内容につきまして、特に申し上げたいと思いますのは、きょう、あさ、私ども市長のほうから答弁させていただいたところでもございますけれども、今の状況の中におきまして、実際、この未収債権を納めたくても納められない、そういう方がおられるということで、きめ細やかな対応をさせていただくということで申し上げたところでございますけれども、このマニュアルの中にもそういう方につきましては、債権の回収緩和ということで、分割納付等、きめ細やかなマニュアルを作成させていただいているところでございます。 最後に、奈良市債権回収対策本部についてのお尋ねでございますが、平成20年10月に本市が保有いたします税外債権の効率的かつ適正な回収により収入未済額の縮減に向け、全庁的に取り組み、市民の負担の公平性と財源の確保を図るために設置をさせていただいたものでございますが、総務部担当の副市長を本部長といたしまして、24名の関係部課長から成る庁内委員で構成される組織でございます。 以上でございます。 ○副議長(中西吉日出君) 企画部長。   (企画部長 巽 一郎君 登壇) ◎企画部長(巽一郎君) 山本直子議員の御質問にお答えいたします。 コミュニティバス実施に向けた平成22年度の調査実施内容と来年度の計画についての御質問でございますが、急速に進展する高齢化に対応し、市民の皆様が通勤・通学・買い物・通院等の日々の暮らしにおいて、快適に移動できる環境を整備することは大変重要であると考えております。そのため、平成21年度におきまして、市内における公共交通空白地域の現状を把握するための基礎調査を実施したところでございます。調査の結果、判明した公共交通空白地域について、地域を6ブロックに分け、それぞれの交通の概況及び考えられるバスサービスの改善方策等を検討いたしました。 一概に公共交通空白地域といっても、その態様や生活交通の必要性の度合いはさまざまであり、それぞれの地域において鉄道やバスサービス網の充実度、近隣の病院や商業施設、公共施設の設置状況、さらには周辺道路の整備状況等に大きな開きがあることが明らかになっております。 また、生活交通の導入に関しては、地域の特性を踏まえて、コミュニティバスの導入だけでなく、既存路線バスの再編や狭隘な道路環境においてはデマンドバス等の導入についても検討を行う必要がございます。そのため、本年度は前年度の基礎調査の結果を踏まえ、地区の特性や実情に合った生活交通のあり方を検討するため、モデル地区を選定し、それぞれのモデル地区において、現状を分析・整理することにより、より実現可能性の高い生活交通の導入方針案を検討いたしております。 来年度からは、本年度の検討結果を活用し、市内に分布する公共交通空白地域に対して適応できる生活交通サービスルートなど、より具体的な導入形態を明確にするための検討をしてまいりたいと、このように考えております。 以上でございます。 ○副議長(中西吉日出君) 10番山本直子君。 ◆10番(山本直子君) 各理事者の方々の御答弁、ありがとうございました。 2問目は自席より行います。 保健福祉部長に4点お伺いします。 子ども未来部の管轄になる子ども発達支援施設についてです。先ほどもみどり園の運営についてどうなるのか御答弁いただきましたが、奈良市にはみどり園や健康増進課がやってくださっている発達支援教室のきしゃぽっぽ教室などがあります。これも発達障害の子供さんたちにとって早期発見・早期支援につながる事業だと思います。また、子ども発達支援施設の中身も、お聞きしたところでは、就学前の子供さんを対象とした療育や保育などを重視して、関係研究機関やNPOなどとも連携をとりながら、個別指導や巡回相談から児童デイサービスまで発達支援にかかわるかなりの部分を網羅する計画となっています。私はこれは大変すばらしいことだと思います。 そこで、奈良市障がい者福祉基本計画の中で療育センターの検討が上げられていますが、この療育センターの設立はかなり規模的に大きなイメージがありますが、この療育センターの創設、子ども未来部が開設する子ども発達支援施設とはどう関連していくのでしょうか、お聞かせください。 次に、発達障害等の支援について再度伺います。また、子供の発達支援が保健福祉部の障がい福祉課、子ども未来部など課が分かれてしまうことになりますが、今後うまく連携していけるのでしょうか。 続いて、保育施策について再度伺います。今、子育て世代は子育てとともに雇用の問題も重くのしかかり、30代の雇用が不安定で、世帯の収入が激減する事態が起こっています。夫の失業で収入が激減して、妻のパート収入で暮らしている、光熱費などの公共料金や学校の給食費やPTA会費などほとんどの支払いをストップしなければ生活がやっていけない、先日こんな御相談を受けました。私は、先日の厚生委員会でも、保育料の滞納が5年前と比べると3倍にもふえていることを指摘しましたが、再度、保育料の滞納状況と学童保育児童育成料の滞納状況についてお聞かせください。 次に、生活保護施策について再度伺います。先ほど、1問目でお聞きした生活保護の住宅扶助について、敷金の特別基準を家賃基準の5倍に減額した経緯と根拠を教えてください。なぜ基準を引き下げなければならないのでしょうか。 2問目の最後に、企画部に伺います。 1問目で答弁いただきました今年度行ったゾーン調査別で、大和田町、石木町、富雄泉ヶ丘、帝塚山、三松ヶ丘といった地域を含む西部地区のブロックではどのような調査結果が出ているのか、お聞かせください。 ○副議長(中西吉日出君) 保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(栗原健二君) 2問目は自席からお答えをさせていただきます。 まず最初に、療育センターの位置づけと、今計画しております子ども発達支援施設との関係についての御質問でございます。本年度から、保健・教育・福祉の関係課が集まりまして療育ネットワーク検討庁内連絡会を開催し、療育についての情報共有と今後のあり方を検討する中で、発達障害等の療育支援を必要とする子供たちが増加傾向にあり、早期発見・早期療育が大切であることから、できる限り早期に子供や保護者への手だてを行うべきものとの認識をいたしました。 そこで、子ども未来部に、主に就学前の子供を対象とした子ども発達支援施設を設置し、本市が将来設置を目指しております療育センターの一翼を担う施設として考えておるところでございます。 次に、子ども未来部が創設されまして2つの部に分かれるということについて、どのような連携をしていくのかという御質問でございます。平成22年8月から、先ほど申しました療育ネットワーク検討庁内連絡会を開催しております。部が分かれましても、この連絡会を引き続き開催することにより、関係各課の連携を密にしながら支援を行ってまいりたいというふうに考えております。 次に、保育料及び学童保育児童育成料の滞納状況についての御質問でございます。保育料につきましては、現年度分と過年度分を合わせた合計額で申しますと、平成19年度は1624万4750円、20年度につきましては2369万5410円となっております。また、21年度におきましては2831万2860円で、そのうち20万円以上の滞納世帯数は45世帯、金額にして1960万2960円でございます。 この保育料の滞納額が年々増加していく原因の1つとして、昨今の経済情勢の悪化による各家庭における収入額の減少や、離職者の増加に伴い、児童の世帯の経済状況が悪化していることが大きく影響していると思われます。また、20万円以上の滞納者につきましては、全体の70%弱の数値を占めておるところでございます。 市といたしましても、保育園の協力のもと、督促状、催告状を送付し、分納相談に応じるなどできる限り滞納保育料の徴収に努めてまいりたいと考えております。 次に、学童保育児童育成料の滞納についてでございます。現年度分と過年度分とを合わせた合計額で申しますと、平成19年度は121万円、20年度は119万4000円、また21年度においては90万4000円でございます。これにつきましても、今後、督促状、催告状を送付し、滞納の育成料の徴収に努めてまいりたいと考えております。 それと、生活保護に関します御質問でございます。いわゆる敷金の特別基準を家賃基準の5倍にした経緯と根拠についての御質問でございますが、従前の7倍の特別基準は、本市が中核市移行以前の平成4年4月に奈良県のうちの1つの市として厚生省から承認を得て設定されております。中核市移行後も奈良市の特別基準として継続する形で承認を得ていたものでございます。しかしながら、特別基準の設定後相当期間が経過しており、経済状況の変化も踏まえ、より地域の実情に適した基準を検討する必要から、各都道府県、政令指定都市、中核市を対象に、昨年5月に厚生労働省から実態調査の依頼がございました。このため、管内不動産情報から無作為に抽出する形で敷金の調査を実施いたしました。その結果、奈良市におきましては、家賃基準の3.6倍で調査対象物件の90%をカバーすることができ、それに手数料や火災保険料を勘案し、5倍として報告をしたところでございます。 今後も引き続き不動産の市場動向に注視し、特別基準の適正運用を図ってまいりたいと考えております。なお、奈良県の特別基準につきましても、奈良市と同様、5倍と設定されたところでございます。 以上でございます。 ○副議長(中西吉日出君) 企画部長。 ◎企画部長(巽一郎君) 2問目は自席からお答えいたします。 平成21年度に実施いたしました基礎調査における西部地域の調査結果についてでございますが、西部地域におきましては、鉄道・バスを合わせた公共交通利用率は市内6ブロックの中で最も高い率となっており、さらに鉄道からの交通手段におきましても、バスの利用率が他の地域よりも高くなっております。この地域では、主要な住宅地には運行頻度の高いバス路線網が計画的に整備されており、全体として公共交通の利便地域といえます。しかしながら、駅から離れた位置には公共交通空白地域が点在しているとの結果が出ております。その結果に基づき検討を行った西部地域の整備方針についてでございますが、この地域におきましては、鉄道からの交通手段としてバスの役割は大変大きく、通勤・通学・買い物など市民の幅広い日常交通に貢献しており、今後は、一層その利便性の向上を図る必要があると考えられます。そのことから、西部地域におけるバスサービスの改善方策といたしましては、バス路線の延伸を含むバス路線網の再編や高齢者のニーズに対応した新たなコミュニティバスの導入等が考えられるという調査結果になっております。 以上でございます。 ○副議長(中西吉日出君) 10番山本直子君。 ◆10番(山本直子君) 御答弁ありがとうございました。 時間がありませんので、3問目は主張とさせていただきます。 子ども未来部、熱意を持って奈良市に取り組んでいただきたいと思います。今、政府が進めている子ども・子育て新システム、これは保育や子供の療育に関して大きな後退をもたらすものだと私たち日本共産党は考えています。子ども未来部が子ども・子育て新システムの受け皿にならないように要望します。 それと、保育の滞納、これは20万円以上が移管の基準とされていますけれども、ほとんどの場合が債権整理課に移管されてしまいます。先日、滞納整理課の差し押さえでお給料が一気に引き落とされたということもありました。悪質な滞納というのはわずかでありますけれども、滞納の取り立てを強化するために各課が寄って相談をするのではなく、市民の生活を守るために、取り立てではなくて、その滞納の中身がどんなものか見ていかないと根本的な徴収アップにつながる解決にはならないと思います。滞納者の多くは、今の貧困が最大の原因です。しっかりと奈良市にこの問題に取り組んでいただきたい、そういうふうに思います。 納税者・市民の人権侵害はあってはならないことです。市民の権利保障という観点を失うことがないように、市民の問題に真剣に取り組んでいただくことを強く要望しまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(中西吉日出君) 31番高橋君。   (31番 高橋克己君 登壇) ◆31番(高橋克己君) 本日最後の質問となります。あとしばらくの間、よろしくお願いいたします。 先ほど、2時46分に宮城県で震度7の地震が発生いたしました。宮城県では6メートル、また岩手県では3メートルの大津波警報が出されております。本市におきましても大きな揺れがありました。市長は、このことについて情報収集など危機管理をなされたとは思いますけれども、このように遠く離れた宮城で起きた地震でもこのように本市においても大きな揺れが発生する、これがいつ発生するかわからない南海・東南海地震が発生すれば、本当にどのような被害が起こるのか大変心配するところであります。そういう意味では、本当にこの庁舎を含めた公共施設、また学校等の耐震化を本当に急ぐべきであると、このように申し添えておきます。 それでは、通告しております数点について、市長並びに関係理事者にお尋ねいたします。 初めに、外郭団体の統廃合につきましては、先日からも質問がありましたので、一部重複するところがあるかもしれませんが、角度を変えて市長にお尋ねいたします。 近年、外郭団体を取り巻く環境は大きく変化してきております。平成15年度に地方自治法が改正され、指定管理者制度が導入されましたが、各外郭団体が指定管理者として民間事業者との競争を乗り越えていくためには、今後もますます経営基盤の強化を図り、市民サービスの向上に努めていく必要があると考えます。また、国の行政改革の一環として公益法人制度についても大幅な改革が行われました。これにより、各法人は平成25年11月末までに新たな公益法人または一般法人への転換が迫られております。あわせて景気の低迷による市税収入の減少や社会保障関連経費の増加により、本市では厳しい財政状況が続いており、外郭団体においても行財政改革を進め、経営の効率化を図っていくことが求められております。 奈良市においても、行財政改革大綱並びに行財政改革実施計画において、外郭団体の経営の健全化を掲げ、経営の健全化及び業務の効率化・活性化を図るとともに、平成19年には財団法人入江泰吉記念写真美術財団を財団法人ならまち振興財団に統合し、改革を進めてきたことは承知しております。そして今回、外郭団体が今後も効果的・効率的に市民のニーズに対応できる組織として存続していくため、外郭団体の統廃合に関する指針を策定されました。この指針においては、現在18ある奈良市の外郭団体を9つに統廃合するとされており、株式会社都祁総合開発、財団法人奈良市商業振興センター、財団法人奈良市防災センターについては廃止ということになっております。行財政改革を進め、外郭団体の経営の効率化、経営基盤の強化を図る上でも統廃合は必要であると考えますが、これら3団体は市民の安全の確保など、それぞれが市の行政を補完する立場として重要な役割を果たし、市民にも親しまれてきたものであります。 そこで、これら3団体を廃止とされた理由と今後の方向性についてどのように考えているのか、お尋ねいたします。 次に、市立奈良病院について、4点お尋ねします。 1点目、市立奈良病院の建設事業については、国からの移譲を受けた開院当時は、すぐには実現できるものではないと考えていました。しかし、施設・設備の老朽化、狭隘化が著しく、患者数の増加や医療の高度化にも対応できなくなり、平成20年5月に市立奈良病院建設基本構想が発表され、我々も要望していました新病院の建設が現実のものになりました。その当時は、公立病院が経営破綻をするなど、病院・医療の危機が特に声高に叫ばれていた時期でもありましたが、市立奈良病院は市民の信頼を得、経営基盤の安定化も進み、新病院の建設が実現できることになったと評価をしております。 今回、工事業者の入札の結果、建設費が相当縮減しましたが、それは市としては財政的にはよかったと思いますけれども、品質等の保証が少し心配でもあります。さらに、市立奈良病院の周辺整備、特に西側の通学路にもなっている歩道の整備など周辺整備、さらに混雑している駐車場の出入り口等についても検討が必要と考えます。そこで、新病院建設事業の現状についてお尋ねいたします。 2点目は、看護専門学校の進捗状況についてお尋ねします。看護専門学校については、かねてから私も将来の看護師不足の解消のためにも設置を強く主張してきました。市立奈良病院においても、50床の増床、県立奈良病院も移転、増床、生駒市立病院も建設されるようですので、ますます看護師は不足するものと考えられますので、看護専門学校の設置は最重要課題と考えます。これは単に看護師不足の解消のみでなく、若い有能な人材が奈良市内に学び、就職する機会がふえるということで、まちの活性化、にぎわいにも寄与できるもので大変明るい未来のある事業であると考えます。平成23年度予算案にも2億4000万円の建設事業費用が計上されていますが、現在の進捗状況についてお尋ねいたします。 3点目は、ドクターカーの運用についてですが、かねてから我が公明党が要望してきましたが、昨年10月から市立奈良病院において導入がされました。このことについては、本来は三次救急を担う県立奈良病院の救命救急センターに設置するべきとの議論もあったと聞いておりますけれども、市立奈良病院に設置され、運用が始まったということは市民の安全・安心のためには大変喜ばしいことと考えております。ドクターカーは消防局が運用しているわけですが、市立奈良病院として、このドクターカーの導入により救急医療にどのような効果や課題があるのか、お尋ねいたします。また、現在、週3回の試験運用ですが、我々は早急に24時間365日の運用を望むわけですが、来年度以降、どのような方向性を考えているのか、お尋ねいたします。 4点目は、市立奈良病院の診療機能の充実についてですが、現在、建設事業が開始されたばかりであり、新病院が完成するまでにはまだ3年ぐらいはかかるとされております。病院の診療機能については、患者さんにとっては新病院開設まで待つことができないわけであります。施設・設備が現在の状況の中でも、医療は1日もストップできない状況であります。今後も、新病院完成までには診療機能の充実を進めていく必要があると考えますが、来年度はどのような取り組みをされるのか、以上4点についてお尋ねいたします。 次に、奈良市保健所・教育総合センターについて、保健所長にお尋ねします。 奈良市が中核市に移行し、丸9年が経過しようとしております。保健所長には奈良県より奈良市の保健所長として来ていただき、この間、さまざまに御尽力をいただいているわけであります。最近では、一昨年の新型インフルエンザのときも保健所の機能を遺憾なく発揮し、対応していただき、敬意を表するところでもあります。所長はいつも奈良市民の健康の保持増進に、また健康危機管理の拠点として市民に身近できめ細やかなサービスに努めたいと言っておられまして、その拠点となるべき新保健所の建設を急がれていましたが、やっと昨年の11月末、竣工を見たわけであります。しかし、新聞等によりますと、当初、2月中旬の引っ越しの予定が延期になり、やっとこのたび4月1日、奈良市保健所・教育総合センターとしてグランドオープンされる予定になっております。建設オープンまでには非常に長い時間を要したこともありますが、現在の所長の決意のほどをお聞きいたします。 次に、まちづくり行政について、都市整備部長にお尋ねします。 本市の新年度の重点施策において、ポスト1300年祭をにらんだ平城宮跡内イベントが新規事業として盛り込まれ、観光は市の重要キーワードとなっております。昨年は平城遷都1300年祭ということで、本市に多くの観光客の方をお迎えしたわけでありますが、その玄関口として、鉄道の高架化とあわせて整備されたJR奈良駅の新駅舎がその役割を果たしたわけであります。 そこで、本市の玄関口でありますJR奈良駅周辺の今後のまちづくりについて3点お尋ねします。 1点目は、東口駅前広場についてですが、現在は鉄道高架のための仮駅舎が撤去され、タクシー乗り場までの間に比較的広い空間が生まれていますが、最終整備はどのような形になるのか、お尋ねします。 2点目は、東西の駅前広場をつなぐ自由通路が新駅の1階と2階に完成して、1階の南側では飲食店がオープンし、夜も営業されており、新たなにぎわいが生まれてきております。この新たなにぎわいが西側のホテルやシルキアなどへの施設へと流れ、さらに駅西側のまちへと広がるよう期待しているところであります。そこで、鉄道高架により生み出された高架下の活用について、現時点ではどのような計画になっているのか、お尋ねします。 3点目は、駅南側で現在、地下式で鉄道と交差している道路、三条本町線についてでありますが、その道路に面して間もなくオープンが予定されています奈良市保健所・教育総合センターや現在建設中のマンションなどがありますが、この道路は、いつどのような形で整備されようとしているのか、お尋ねします。 次に、京奈和自動車道大和北道路の仮称奈良インターチェンジ周辺のまちづくりについてお尋ねします。 京奈和自動車道大和北道路、仮称奈良インターチェンジからのアクセス道路である西九条佐保線については、鉄道をまたぐ高架構造で、平成20年3月に都市計画決定がされたと聞いておりますが、昨年9月に奈良県において西九条佐保線を高架構造から平面化し、JR関西本線を高架化するなど周辺地域を含めたまちづくりについて検討する旨の考えが示されました。本市においても、来年度、仮称奈良インターチェンジ周辺のまちづくり計画策定に取り組みをされるということですが、どのように進めるのか、お尋ねいたします。 以上で私の第1問を終わります。 ○副議長(中西吉日出君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの高橋議員からの御質問にお答えさせていただきます。 まず初めに、先ほど来出ております地震の件でございますが、少し確認いたしましたところ、本市の姉妹都市でございます郡山市でも震度6、また多賀城市でも震度5弱ということで、郡山市においては現在のところもまだ電話が不通であるという状況で報告を伺っております。応援協定に基づきまして、本会議終了後に私どもでも災害対策本部のメンバーを集合いたしまして、今後の対応等を協議をしてまいりたいと考えております。 それでは、御質問にお答えさせていただきます。 まず初めに、外郭団体等の統廃合に関する御質問でございます。 今回策定いたしました外郭団体の統廃合に関する指針の検討の基準で、設置目的や存在意義の薄れた団体及び赤字基調が続き、今後も回復の見込みがない団体については廃止といたしております。 株式会社都祁総合開発につきましては、主業務でありますフィットネスバードの管理運営が、平成21年度の事業仕分けにおいて赤字経営を指摘されたところであり、経営改善にも取り組んでおりますものの、今後も赤字基調が見込まれることから、指針の基準に基づき廃止とさせていただいたところでございます。なお、フィットネスバードにつきましては、今後の施設のあり方も含め、検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、財団法人奈良市商業振興センターにつきましては、平成21年度の事業仕分けにおいて、目的は御理解いただいたものの、事業内容といたしましては財団の存在意義が薄いことから、平成23年度末の財団廃止を市の方針としており、また指針の基準にも合致することから廃止といたしました。廃止後の施設のあり方につきましては、民間活力の導入による新たな商業支援施設への転換を視野に入れ、現在、関係団体と協議を進めているところでございます。 続きまして、財団法人奈良市防災センターにつきましては、平成21年度の事業仕分けにおいて、財団の業務内容が本来、市が直接実施すべき事業であるとの御指摘をいただき、消防局の組織体制を整備した上で防災センターを直営とする方針を出しており、また指針の基準にも、行政が直接関与する必要性が高い事業を実施している団体については廃止することといたしておりますことから、同財団を廃止といたしたところでございます。 続きまして、市立奈良病院についてでございます。 市立奈良病院の建設事業につきましては、施行業者は市立奈良病院新築その他工事大林・村本・三和・山上特定建設工事共同企業体と決定し、工期は平成23年2月1日から平成26年3月25日までとなってございます。入札に際しましては、最低制限価格を撤廃した結果、工事請負金額が予算額94億9546万円に対し60億1125万円と大幅な減額となりました。 議員御指摘のように、建設工事につきましては、品質や安全性の確保が特に重要と考えております。そのため、施行業者の選定につきましては、総合評価落札方式の一般競争入札とすることとともに、工事監理につきましては、設計の意図伝達業務は基本・実施設計を実施した内藤建設事務所といたしますが、建築工事監理業務につきましては、設計内容に客観的な技術的検討を加え、品質確保をより一層推進するため、設計者を除いた入札方式とする第三者監理方式を採用する予定でございます。また、西側歩道の拡幅につきましては、地元からの強い要望もございますので、十分な幅の確保とともに段差の解消を図れるように検討を加えております。 次に、駐車場の出入り口につきましても、緊急車両と一般車両の専用レーンを設けるとともに、ゲートまでの待機スペースを従来よりも長く確保することから、渋滞緩和にも寄与できるものと考えております。建設工事につきましては、去る2月27日に近隣の皆様に工事の進め方などについての説明会を実施し、工事に着手したところでございます。 次に、看護専門学校の進捗状況についてでございます。 平成25年度の開校を目指し、今年度から地域医療振興協会と看護専門学校設置検討委員会を設置し、各種調査、関係機関との調整などの準備を進めてまいりました。来年度予算につきましては、用地の取得、地質調査、設計業務その他事務費などの経費及び建設工事と工事監理の経費を23年度と24年度の継続費として計上いたしているところでございます。総事業費といたしましては、建設工事、用地取得その他設計業務委託費などで合計10億6300万円を予定しており、ほとんどが病院事業債の対応となり、22.5%の交付税措置がされるところでございます。 用地につきましては、地域医療振興協会の所有する旧和楽園土地といたしまして、現時点では建物の規模は敷地面積が約1,550平方メートル、延べ床面積が約2,600平方メートルの3階建てと考えております。 看護学校は3年課程とし、1学年40名、総定員120名。教職員につきましては、最終的な人数は未確定でございますが、十数名必要であると考えております。来年度からは開校に伴う申請業務、教員の確保、市立奈良病院以外の実習場所の確保、授業内容、カリキュラムなど学生募集の準備などの業務も地域医療振興協会とともに進めてまいりたいと考えております。 次に、ドクターカーの運用についてでございます。 昨年の10月から県立奈良病院救命救急センターや市内の救急告示病院の御協力もいただき、週3日、午前9時から午後5時までの試行運転を実施しているところでございます。ドクターカーは市内の救急患者への対応として、心肺停止状態などの場合に医師が同乗することにより、病院前医療処置の開始が可能となり、救命率の向上に寄与できるものであると考えております。現在のところ、実績といたしましては、この2月末で出動件数が23件となってございます。なお、ドクターカーの運用が功を奏した症例といたしましては、心肺停止、急性心筋梗塞、大動脈乖離事案などがございます。また、救急救命士の研修につきましても、市立奈良病院の総合診療科を中心とし、その場を提供することにより、日ごろからの病院と消防の連絡調整がスムーズに進められ連携を密にすることができると考えております。 来年度におきましては、さらに日数をふやす予定をいたしておりまして、将来的には24時間365日の体制の実現を目指してまいりたいと考えております。 続きまして、市立奈良病院の診療機能の充実についてでございます。 来年度の人員体制といたしましては、現時点では医師7名の増員、3月1日現在では正規が77名、非常勤が24名でございます。看護職は21名の採用が内定いたしているところでございます。医療技術者につきましては、薬剤師1名、理学療法士3名、臨床検査技師が2名増員の予定でございます。今年度途中から小児科病棟に保育士2名を配置し、家族の付き添いの負担を軽減することができたと好評をいただいてるところでもございます。 また、臨床研修指定病院としての機能を強化するために臨床研修センターを設置し、研修医の確保などに組織で対応するとともに、病院職員の技術向上のための各種研修を充実させるなど、臨床研修全般を総合的に管理する体制を構築いたしております。 地域連携の充実を目指しては、地域医療連携室と院内に設置した地域連携推進委員会を中心に、新病院での開放病床運営の検討開始をいたしてまいります。 また、今年度の感染症内科設置に伴い、現在、奈良医療圏に存在しておりませんエイズ診療拠点病院を担うように県からも要請をいただいておりますので、その指定に向けて院内の体制の検討や整備を進めてまいりたいと考えております。 また、医療機関併設型の病児保育所につきましても、市立奈良病院での設置を進めてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(中西吉日出君) 保健所長。   (保健所長 松本善孝君 登壇) ◎保健所長(松本善孝君) 新保健所についてでございますが、本市の中核市移行に伴い設置されました奈良市保健所として、議員お述べのように、今日まで市民に身近できめ細かなサービスの提供ができる、また健康危機管理の拠点としての保健所を目指してきたところでございます。同時に、人材の養成も大きな課題でございました。 一方、新保健所の建設は私を初め職員一同の夢と希望でもございました。このたび、議会を初め地元自治会、また多くの方々の御理解と御協力により、立派な新保健所を建設していただきましたことに、心より感謝しているところでございます。 決意というところでございますが、グランドオープンまでまだ少し時間もありますが、来年度は中核市移行10年目という大きな節目の年にも当たり、筆舌に尽くしがたい感慨深いものがございます。今は、新保健所での業務開始とさらなる飛躍に思いをめぐらせては気がはやる思いでございます。しかし、もとよりの基本姿勢を忘れず、新保健所を十二分に生かしたよりよい保健所を目指してまいりたいと、思いを新たにしているところでございます。 以上です。 ○副議長(中西吉日出君) 都市整備部長。   (都市整備部長 湯浅起久君 登壇) ◎都市整備部長(湯浅起久君) 高橋議員の御質問にお答えいたします。 まず初めに、JR奈良駅東口駅前広場の整備についてでございますが、駅前広場の整備計画につきましては、連立事業により生み出されました空間を活用した駅前広場とすべく、実施設計に取り組んでおり、バス及びタクシー事業者、道路管理者並びに警察など関係機関との協議を行っているところでございます。なお、駅前広場の形態につきましては、交通広場を新駅舎側へ可能な限り寄せることとし、JR奈良駅を発着するバス路線を駅前広場に入れる計画とするとともに、駅前広場と都市計画道路奈良橿原線との出入り口を1カ所とすることにより安全な交差点処理を確保するものでございます。 次に、鉄道高架下利用についてでございますが、自由通路から北側につきましては商業施設の整備が予定されており、来春のオープンを目指していると聞いてございます。また、自由通路から南側の一層部につきましては既に商業施設となっておりますが、さらに南側の高架下につきましては、駅業務施設及び駅関連等の駐車場並びに奈良市保健所・教育総合センターの駐車場として活用する計画として考えてございます。 次に、三条本町線の整備についてでございますが、御承知のとおり三条本町線は地下式となっておりますので、通行どめにより埋め戻し工事を行う必要がございます。このことから、南側の都市計画道路大森高畑線が4車化された後に埋め戻す予定となってございます。奈良県によりますと、大森高畑線の4車化がことしの秋ごろになるとのことでございますので、三条本町線の埋め戻し工事につきましては、ことしの秋以降に奈良県により実施され、埋め戻し工事が完了した後、本市において道路築造工事を行ってまいりたいと考えております。なお、具体的なスケジュールにつきましては、現在県と協議を行っているところでございます。 続きまして、大和北道路の仮称奈良インターチェンジ周辺のまちづくりについてでございますが、インターチェンジ周辺における都市基盤整備に関しましては、平成21年8月、奈良県における広域幹線道路の見直しにおいて、インターチェンジ周辺を東西に結ぶ都市計画道路大和田紀寺線が不要であるとされました。このことを受けまして、昨年9月には既存の県道京終停車場薬師寺線とJR関西本線との立体交差化や西九条佐保線の平面化などの検討を進めることが奈良県より公表されたところでございます。 奈良インターチェンジ周辺では、国によるインターチェンジ整備の進捗に合わせまして、市内へのアクセス道路であります西九条佐保線などの都市基盤施設の整備が進められますが、これらに伴う周辺地域のまちづくりの計画策定につきましては、本市が担っていくべきものと考えてございます。したがいまして、本市といたしましては、奈良県が進められる都市基盤整備計画の方向性を見据えた上で、周辺地域のまちづくり方針、関連計画などとの整合性、段階的整備の必要性や可能性などを踏まえた長期的なまちづくりビジョンを整理するとともに、地元の意見を反映させながら計画案を作成してまいりたいと、このように考えてございます。 以上でございます。 ○副議長(中西吉日出君) 31番高橋君。 ◆31番(高橋克己君) 2問目は自席からさせていただきます。 2点、再質問させていただきます。 1点目は、財団法人の統廃合についてですけれども、財団法人奈良市防災センターについては、管理運営を消防局が直営方式で存続すると、そのような答弁でありました。そこで、この防災センターの今後の体制と直営方式による消防本体業務に影響が出ないのか、お尋ねいたします。 2点目は、保健所長には先ほど決意を述べていただきましたけれども、保健業務はさまざまな業務が行われております。さらに保健所は、危機管理の拠点として、新型インフルエンザやこのたびの五條市で発生しました鳥インフルエンザ対応には、奈良市を含む県下の保健所の医師、保健師も大変御尽力いただいたと聞いております。そこで、健康危機管理の現状、今回の実際の業務も含め、この点についてお尋ねをいたします。 ○副議長(中西吉日出君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 2問目は自席からお答えをさせいただきます。 防災センターの今後の体制と消防業務への影響についてでございますが、現在のところ、平成24年3月末で財団法人の廃止を行う予定となってございます。廃止後の管理運営体制につきましては、防災センターは、現在7名の職員による管理運営となっておりますが、廃止後の業務の低下を招くことのないようにスムーズな業務移行を踏まえた人員配置が必要であるとのことから、廃止後は、これまで培ってきた経験や知識を生かすことができる再任用職員の配置を検討しているところでございます。 また、消防業務への影響についてでございますが、当面はこの再任用職員で対応を考えておりますので、職員減や充足率の低下にはつながらないと考えているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(中西吉日出君) 保健所長。 ◎保健所長(松本善孝君) 健康危機管理についてでございますが、このたびの高病原性鳥インフルエンザの発生につきましては、既に平成20年度より保健所における対応マニュアルを作成し、ヒトの新型インフルエンザ対応とあわせて準備をしていたところでございます。 私は、健康危機管理の基本は平素の準備が何よりも優先されるものとし、訓練また研修会の開催など継続しているところでございます。今回発生しました鳥インフルエンザの対応につきましては、鳥の処分等に従事する人たちの健康調査班として、マニュアルに従いスムーズに対応できたと思っております。実際の業務につきましては、保健師、医師が従事者の事前事後の健康診断、またタミフルの予防投与を行いました。なお、本市におきましても、危機管理監、観光経済部、保健所を中心に庁内の事前の対策を図っているところでございます。 また、新保健所は、保健センター機能や健康相談・健康情報の発信の場として、また健康危機管理の拠点として、乳幼児から高齢者までの市民の方が安心して利用できる施設として活用していただけるものと思っております。 以上です。 ○副議長(中西吉日出君) 31番高橋君。 ◆31番(高橋克己君) 3問目は提案、要望といたします。時間の都合上、一部提案をさせていただきたいと思います。 保健所につきましては、この間、3月8日のNHKでテレビ番組、ニューステラス関西で保健所また教育総合センターのことが放映されていました。地元の連合会長とか市の幹部の方もインタビューを受けておられました。いよいよ4月1日オープンですけども、市民から愛される施設となっていくよう、しっかりと地元の声も聞いていただいて取り組んでいただきたいと思います。 それと、同じ財団法人の中の奈良市文化振興センターのなら100年会館、この分ですけども、この財団も新しく統合されて新財団になるということで、今まで保健所については、保健所ができたから、にぎわいのあるまちづくりができると、そのような市の答弁もあったわけですけども、私は、市長の答弁されているように、やはりこの西側の保健所、またなら100年会館も含めた、点ではなく面的な施策も必要であると、このように思います。 その中で、私は提案させていただきたいわけですけれども、今のなら100年会館では、本当に夕方になれば薄暗く、周りから見れば本当に暗い大きな建物があるということで、今回、教育総合センターが夜9時まで開館される。そこで、このなら100年会館の時間も、催し物のないときでも9時まであける、延長する。そして1階に広いスペースがあるわけです。これをオープンギャラリーなどにして、自由に見られるようにすることも考えてみてはどうか、このように思うわけであります。 奈良市は、平成10年のときに市制100周年を迎えました。そのときに、奈良百景事業ということで、その当時、奈良のそごう美術館で65名の画家が100点の奈良の風物詩等を描いた額があります。それを今現在、奈良市美術館に保管されておりますけれども、それをオープンギャラリー等で自由に見られるようにしてはどうか。さらには、奈良市出身の絹谷幸二画伯のフレスコ壁画、テーマ「夢・光降る町・奈良」という、このような分がなら100年会館の中にあります。だけども、本当に一般の市民の方は見ることができないし、そして大ホールに入られても、あることもわからない、そのような分がございます。そこで、このフレスコ壁画も1階に移してはどうか。もちろん絹谷画伯の許可が必要ですけれども。さらにはこのエントランス北側にあります時の広場、これを朝市や若手演奏家を育成するために自由に使えるようにしてはどうか。さらには、ならまちで実施している落語会なども時の広場でオープンカフェ形式で楽しくにぎやかにしてはどうか。 いろいろありますけれども、私は点ではなく面的施策としてにぎわいのあるまちづくりに寄与できるものと、このように提案をさせていただいて、ぜひ取り組んでいただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(中西吉日出君) お諮りいたします。 本日の会議はこの程度で打ち切り、明12日及び明後13日の2日間は休会し、14日午前10時より本会議を再開して質疑並びに一般質問を行いたいと思いますが、そのようにいたしまして御異議ございませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○副議長(中西吉日出君) 御異議なしと認めます。 よって、そのように決定いたします。 本日はこれで散会いたします。     午後4時27分 散会----------------------------------- 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。              奈良市議会議長  山本 清              奈良市議会副議長 中西吉日出              奈良市議会議員  樽谷佳男              奈良市議会議員  松村和夫              奈良市議会議員  西本守直...